「リソソーム」の版間の差分

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==種類と構造==
==種類と構造==


 リソソームは6~10 nmの一重の[[wikipedia:JA:生体膜|生体膜]]に囲まれた直径0.1~1.2 μmの[[wikipedia:JA:細胞小器官|細胞小器官]]である。リソソームは極めて動的な存在であることから、様々な名称で分類されてきた。一次リソソーム(primary lysosome)は分解基質を含まないリソソームを指し、内部が均一な高電子密度顆粒である。[[エンドソーム]]、[[ファゴソーム]]、[[オートファゴソーム]]と融合し分解基質を含んだ一次リソソームは二次リソソーム(secondary lysosome)と呼ばれる。二次リソソームの大きさや形態は多様性に富んでおり、内部に基質由来の粒子、層板状構造を認めることが多い。二次リソソームはさらに基質の輸送経路に従ってファゴリソソーム(phagolysosome)、オートリソソーム(autolysosome)などとも呼ばれるが、両者は相互排他的ではないため明確に区別できない。またリソソームの生合成過程で出現する未成熟なリソソームはリソソーム前駆体(protolysosome)と呼ばれ、[[トランスゴルジ網]]から一次リソソームが新規合成される際や、二次リソソームからのリサイクルによって一次リソソームが再合成される際などに認められる<ref name="ref3"><pubmed> 20526321 </pubmed></ref>。未分解基質を多量に蓄積したリソソームは[[wikipedia:residual body|残余小体]] (residual body)と呼ばれ、老齢個体の肝細胞、[[wikipedia:JA:心筋|心筋]]細胞、[[wikipedia:JA:神経|神経]]細胞などで認める。残余小体は「消耗性色素」「[[wikipedia:JA:リポフスチン|リポフスチン]]顆粒」とも呼ばれ、しばしば自家[[蛍光]]を発する。
 リソソームは6~10 nmの一重の[[wikipedia:JA:生体膜|生体膜]]に囲まれた直径0.1~1.2 μmの細胞小器官である。リソソームは極めて動的な存在であることから、様々な名称で分類されてきた。一次リソソーム(primary lysosome)は分解基質を含まないリソソームを指し、内部が均一な高電子密度顆粒である。[[エンドソーム]]、[[ファゴソーム]]、[[オートファゴソーム]]と融合し分解基質を含んだ一次リソソームは二次リソソーム(secondary lysosome)と呼ばれる。二次リソソームの大きさや形態は多様性に富んでおり、内部に基質由来の粒子、層板状構造を認めることが多い。二次リソソームはさらに基質の輸送経路に従ってファゴリソソーム(phagolysosome)、オートリソソーム(autolysosome)などとも呼ばれるが、両者は相互排他的ではないため明確に区別できない。またリソソームの生合成過程で出現する未成熟なリソソームはリソソーム前駆体(protolysosome)と呼ばれ、[[ゴルジ体|トランスゴルジ網]]から一次リソソームが新規合成される際や、二次リソソームからのリサイクルによって一次リソソームが再合成される際などに認められる<ref name="ref3"><pubmed> 20526321 </pubmed></ref>。未分解基質を多量に蓄積したリソソームは[[wikipedia:residual body|残余小体]] (residual body)と呼ばれ、老齢個体の肝細胞、[[wikipedia:JA:心筋|心筋]]細胞、[[神経細胞]]などで認める。残余小体は「消耗性色素」「[[wikipedia:JA:リポフスチン|リポフスチン]]顆粒」とも呼ばれ、しばしば自家[[蛍光]]を発する。


==構成タンパク質==
==構成タンパク質==

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