「ノルアドレナリン」の版間の差分

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'''「発見」'''
'''「発見」'''
1946年、Ulf Svante von Euler(スウェーデン)およびPeter Holtz(ドイツ)により、ノルアドレナリンがほ乳類の交感神経において神経伝達物質として働くことが示された。< ref name=ref1>'''U S von Euler'''<br> A Specific Sympathomimetic Ergone in Adrenergic Nerve Fibres (Sympathin) and its Relations to Adrenaline and Nor-Adrenaline <br> ''Acta Physiol., Scand. '':1946, 12; 73–97</ref> < ref name=ref2>'''P Holtz'''<br> Uber die sympathicomimetische Wirksamkeit von Gehiraex- trakten.<br>''Acta Physiol., Scand. '': 1950, 20; 354–362</ref>。
1946年、Ulf Svante von Euler(スウェーデン)およびPeter Holtz(ドイツ)により、ノルアドレナリンがほ乳類の交感神経において神経伝達物質として働くことが示された。<ref>'''U S von Euler'''<br> A Specific Sympathomimetic Ergone in Adrenergic Nerve Fibres (Sympathin) and its Relations to Adrenaline and Nor-Adrenaline <br> ''Acta Physiol., Scand. '':1946, 12; 73–97</ref> <ref>'''P Holtz'''<br> Uber die sympathicomimetische Wirksamkeit von Gehiraex- trakten.<br>''Acta Physiol., Scand. '': 1950, 20; 354–362</ref>。


Holtz, P., (1950) Uber die sympathicomimetische Wirksamkeit von Gehiraex- trakten.
Holtz, P., (1950) Uber die sympathicomimetische Wirksamkeit von Gehiraex- trakten.
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抗うつ薬とノルアドレナリン
抗うつ薬とノルアドレナリン
気分障害の治療に使われる薬のうち、歴史的に古いMAO阻害剤、三環系抗うつ薬(モノアミン再取り込み阻害剤)はセロトニン系だけでなくノルアドレナリン系を刺激する。近年使用頻度が増えている薬に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)あるが、これはノルアドレナリン系には作用しない。さらに、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)も開発され、これはその名の通り、セロトニン系とノルエピネフリン系の両方を選択的に刺激する。
気分障害の治療に使われる薬のうち、歴史的に古いMAO阻害剤、三環系抗うつ薬(モノアミン再取り込み阻害剤)はセロトニン系だけでなくノルアドレナリン系を刺激する。近年使用頻度が増えている薬に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)あるが、これはノルアドレナリン系には作用しない。さらに、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)も開発され、これはその名の通り、セロトニン系とノルエピネフリン系の両方を選択的に刺激する。
こうした薬の作用から、うつ状態の原因がセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンの減少によるのではないかというモノアミン仮説が生まれた。しかし、これらの薬の治療効果が現れるのは、モノアミン神経伝達の亢進よりもずっと遅いことから、この仮説よりももっと複雑なことが起きていると考えられている<ref name=ref20>'''E R Kandel, J H Schwartz, T M Jessell'''<br> Principles of Neural Science, Fourth Edition<br>''Mc Graw Hill (New York)'':2000</ref> < ref name=ref21>'''N R Carlson'''<br> Physiology of Behavior, Tenth Edition<br>''Pearson Education (Boston)'':2009</ref>。
こうした薬の作用から、うつ状態の原因がセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンの減少によるのではないかというモノアミン仮説が生まれた。しかし、これらの薬の治療効果が現れるのは、モノアミン神経伝達の亢進よりもずっと遅いことから、この仮説よりももっと複雑なことが起きていると考えられている<ref>'''E R Kandel, J H Schwartz, T M Jessell'''<br> Principles of Neural Science, Fourth Edition<br>''Mc Graw Hill (New York)'':2000</ref> <ref>'''N R Carlson'''<br> Physiology of Behavior, Tenth Edition<br>''Pearson Education (Boston)'':2009</ref>。


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