「ノルアドレナリン」の版間の差分

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(2)自律神経系
(2)自律神経系
自律神経系のうちの交感神経系では、節後神経細胞がノルアドレナリン作動性であり、脊髄中の節前神経細胞よりアセチルコリン性の入力を受け、ノルアドレナリン性の出力を内臓器官に与える。その結果、血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加、などを引き起こす。
自律神経系のうちの交感神経系では、節後神経細胞がノルアドレナリン作動性であり、脊髄中の節前神経細胞よりアセチルコリン性の入力を受け、ノルアドレナリン性の出力を内臓器官に与える。その結果、血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加、などを引き起こす。


'''「受容体」'''
'''「受容体」'''
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 末梢神経系において、ノルアドレナリンはα1およびβ1アドレナリン受容体のアゴニストとして作用する。(アドレナリンは、低濃度ではβ1およびβ2アドレナリン受容体に作用し、高濃度ではα1を介した作用が主となる。)
 末梢神経系において、ノルアドレナリンはα1およびβ1アドレナリン受容体のアゴニストとして作用する。(アドレナリンは、低濃度ではβ1およびβ2アドレナリン受容体に作用し、高濃度ではα1を介した作用が主となる。)
α2アドレナリン受容体はノルアドレナリン軸索終末に存在し(オートレセプター)、ノルアドレナリンの放出を抑制する<ref name=ref19><pubmed> 11520889 </pubmed></ref>。
α2アドレナリン受容体はノルアドレナリン軸索終末に存在し(オートレセプター)、ノルアドレナリンの放出を抑制する<ref name=ref19><pubmed> 11520889 </pubmed></ref>。
脳科学辞典の受容体へのリンク


抗うつ薬とノルアドレナリン
 
'''抗うつ薬とノルアドレナリン'''
気分障害の治療に使われる薬のうち、歴史的に古いMAO阻害剤、三環系抗うつ薬(モノアミン再取り込み阻害剤)はセロトニン系だけでなくノルアドレナリン系を刺激する。近年使用頻度が増えている薬に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)あるが、これはノルアドレナリン系には作用しない。さらに、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)も開発され、これはその名の通り、セロトニン系とノルエピネフリン系の両方を選択的に刺激する。
気分障害の治療に使われる薬のうち、歴史的に古いMAO阻害剤、三環系抗うつ薬(モノアミン再取り込み阻害剤)はセロトニン系だけでなくノルアドレナリン系を刺激する。近年使用頻度が増えている薬に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)あるが、これはノルアドレナリン系には作用しない。さらに、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)も開発され、これはその名の通り、セロトニン系とノルエピネフリン系の両方を選択的に刺激する。
こうした薬の作用から、うつ状態の原因がセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンの減少によるのではないかというモノアミン仮説が生まれた。しかし、これらの薬の治療効果が現れるのは、モノアミン神経伝達の亢進よりもずっと遅いことから、この仮説よりももっと複雑なことが起きていると考えられている<ref>'''E R Kandel, J H Schwartz, T M Jessell'''<br> Principles of Neural Science, Fourth Edition<br>''Mc Graw Hill (New York)'':2000</ref> <ref>'''N R Carlson'''<br> Physiology of Behavior, Tenth Edition<br>''Pearson Education (Boston)'':2009</ref>。
こうした薬の作用から、うつ状態の原因がセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンの減少によるのではないかというモノアミン仮説が生まれた。しかし、これらの薬の治療効果が現れるのは、モノアミン神経伝達の亢進よりもずっと遅いことから、この仮説よりももっと複雑なことが起きていると考えられている<ref>'''E R Kandel, J H Schwartz, T M Jessell'''<br> Principles of Neural Science, Fourth Edition<br>''Mc Graw Hill (New York)'':2000</ref> <ref>'''N R Carlson'''<br> Physiology of Behavior, Tenth Edition<br>''Pearson Education (Boston)'':2009</ref>。


<references/>
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