9,444
回編集
細 (→有芯小胞の成熟過程) |
細編集の要約なし |
||
| (同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
| 1行目: | 1行目: | ||
<div align="right"> | |||
<font size="+1">[http://researchmap.jp/sadakata 定方 哲史]</font><br> | |||
''群馬大学 先端科学研究指導者育成ユニット''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年3月16日 原稿完成日:2012年3月30日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/michisukeyuzaki 柚崎 通介](慶應義塾大学 医学部生理学)<br> | |||
</div> | |||
英語名:dense-core vesicle (DCV) | 英語名:dense-core vesicle (DCV) | ||
{{box|text= | |||
有芯小胞(dense-core vesicle)は直径50~200 nmほどの球状の[[wikipedia:ja:オルガネラ|オルガネラ]]であり、[[wikipedia:ja:ホルモン|ホルモン]]や[[神経ペプチド]]などを内包している。[[電子顕微鏡]]による観察では、電子密度の高い像を示すが、これは内容物であるホルモンやペプチドによると考えられている。[[wikipedia:ja:副腎|副腎]]、[[wikipedia:ja:すい臓|すい臓]]、[[下垂体]]、[[脳]]といったホルモンを産生する組織に多く見られる。 | 有芯小胞(dense-core vesicle)は直径50~200 nmほどの球状の[[wikipedia:ja:オルガネラ|オルガネラ]]であり、[[wikipedia:ja:ホルモン|ホルモン]]や[[神経ペプチド]]などを内包している。[[電子顕微鏡]]による観察では、電子密度の高い像を示すが、これは内容物であるホルモンやペプチドによると考えられている。[[wikipedia:ja:副腎|副腎]]、[[wikipedia:ja:すい臓|すい臓]]、[[下垂体]]、[[脳]]といったホルモンを産生する組織に多く見られる。 | ||
}} | |||
== 有芯小胞の成熟過程 == | == 有芯小胞の成熟過程 == | ||
| 20行目: | 28行目: | ||
[[シナプス小胞]](synaptic vesicle, SV)は[[カルシウムチャネル]]近傍に分布しているが、有芯小胞はカルシウムチャネルから数百nm離れたところに分布していることが知られている。そのため、シナプス小胞が分泌されるには100μM以上のカルシウム濃度上昇が必要だが、有芯小胞の分泌は10μM程度のカルシウム濃度上昇に応じて細胞膜と融合することが知られている<ref><pubmed>10856612</pubmed></ref>。また、caged-Ca<sup>2+</sup>を用いた実験によって、有芯小胞分泌の時定数が明らかになってきているが、シナプス小胞より遅く、細胞種ごとに分泌の速度が大きく異なることが分かっている(図)<ref><pubmed>10092049</pubmed></ref>。 | [[シナプス小胞]](synaptic vesicle, SV)は[[カルシウムチャネル]]近傍に分布しているが、有芯小胞はカルシウムチャネルから数百nm離れたところに分布していることが知られている。そのため、シナプス小胞が分泌されるには100μM以上のカルシウム濃度上昇が必要だが、有芯小胞の分泌は10μM程度のカルシウム濃度上昇に応じて細胞膜と融合することが知られている<ref><pubmed>10856612</pubmed></ref>。また、caged-Ca<sup>2+</sup>を用いた実験によって、有芯小胞分泌の時定数が明らかになってきているが、シナプス小胞より遅く、細胞種ごとに分泌の速度が大きく異なることが分かっている(図)<ref><pubmed>10092049</pubmed></ref>。 | ||
== | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||