「中心体」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
サイズ変更なし 、 2012年5月21日 (月)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
28行目: 28行目:
== 中心体関連遺伝子と神経疾患  ==
== 中心体関連遺伝子と神経疾患  ==


これまで脳の形成不全を伴う神経疾患の原因遺伝子として多くの中心体関連分子が同定されている。小頭症ではその原因遺伝子として7つの中心体関連遺伝子(''MCPH1~7'')が同定されている。小頭症では大脳皮質の神経細胞数が著しく減少していることから、細胞分裂または対称・非対称分裂の制御に異常があることが示唆される。ただし、中心体関連蛋白質の多くはDNA損傷応答にも関与しており、DNA損傷に伴う細胞死が関与している可能性もある。一方、小頭症では皮質の層構造には異常が見られないことから神経細胞移動の関与は少ないと考えられる。'''Ⅰ型滑脳症'''では神経細胞移動の障害に起因する皮質の層構造異常が見られる。Ⅰ型滑脳症の原因遺伝子としてLis1、Doublecortinなどが同定されているがこれらの分子もまた中心体や微小管に局在することが報告されている。また、一次繊毛の形成および機能に関連する遺伝子の変異は'''Joubert症候群'''や'''Bardet – Biedl症候群'''等の'''ciliopathy'''と呼ばれる疾患を引き起こすことが知られている。
これまで脳の形成不全を伴う神経疾患の原因遺伝子として多くの中心体関連分子が同定されている。小頭症ではその原因遺伝子として7つの中心体関連遺伝子(''MCPH1~7'')が同定されている。小頭症では大脳皮質の神経細胞数が著しく減少していることから、細胞分裂または対称・非対称分裂の制御に異常があることが示唆される。ただし、中心体関連蛋白質の多くはDNA損傷応答にも関与しており、DNA損傷に伴う細胞死が関与している可能性もある。小頭症では皮質の層構造には異常が見られないことから神経細胞移動の関与は少ないと考えられる。一方、'''Ⅰ型滑脳症'''では神経細胞移動の障害に起因する皮質の層構造異常が見られる。Ⅰ型滑脳症の原因遺伝子としてLis1、Doublecortinなどが同定されているがこれらの分子もまた中心体や微小管に局在することが報告されている。また、一次繊毛の形成および機能に関連する遺伝子の変異は'''Joubert症候群'''や'''Bardet – Biedl症候群'''等の'''ciliopathy'''と呼ばれる疾患を引き起こすことが知られている。


==関連項目==
==関連項目==
89

回編集

案内メニュー