「中間径フィラメント」の版間の差分

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 神経細胞に発現するニューロフィラメントは安定で、[[鍍銀染色]]で染まることがよく知られている。他の中間径フィラメントと異なり、L, M, Hの3つのポリペプチドからなる。[[神経突起]]内は突起に平行に線維が形成され線維間は架橋構造(cross-bridge)で梯子状に繋がれている。H, M鎖の部分がこの架橋構造を形成している。ニューロフィラメントは遅い[[軸索輸送]](slow axonal transport)で運ばれる。  
 神経細胞に発現するニューロフィラメントは安定で、[[鍍銀染色]]で染まることがよく知られている。他の中間径フィラメントと異なり、L, M, Hの3つのポリペプチドからなる。[[神経突起]]内は突起に平行に線維が形成され線維間は架橋構造(cross-bridge)で梯子状に繋がれている。H, M鎖の部分がこの架橋構造を形成している。ニューロフィラメントは遅い[[軸索輸送]](slow axonal transport)で運ばれる。  
== 中間径フィラメントと疾患 ==
 中間径フィラメント関連疾患は、多様な組織でおこる。人疾患が中間径フィラメントの遺伝子変異で起こると最初に報告されたのは、1991年のケラチンK14とEBSである。それ以降、ヒトのメンデル遺伝をする疾患の多くが中間径フィラメントの遺伝子変異と関連づけられるようになった。主な疾患は、表1にある。神経系では、GFAPの変異がアレキサンダー病の原因遺伝子であることが2007年に分かった。アレキサンダー病は、稀なleukodystrophyの一つで1949年に発見された。ミエリンの障害が主な進行性の変性疾患で、GFAPのコード領域での優性遺伝性の変異が原因である。神経細胞では、2004年、NIFID (neuronal IF inclusion disease)が報告された。これはa-internexinが主に溜まる疾患で、痴呆症になるが、未だ遺伝子の変異は見つかっていない。また、遺伝性の末梢神経障害を起こすCMT(Charcot-Marie-Tooth)病には様々な原因遺伝子が挙げられているが、2000年に、ニューロフィラメントLの変異も関連づけられた。病態としてニューロフィラメントの蓄積が言われ続けたものに、ALS(筋委縮性側索硬化症)がある。しかし、ALSと関連するニューロフィラメント遺伝子の変異はまだ見つかっていない。近年、ペリフェリンが関与するという報告もある。また多くの神経変性疾患でニューロフィラメントの蓄積(spheroids)が細胞体や軸索に起こることが知られている。
これらの病態にアプローチするため、これらneuronal IFのノックアウトマウスや過剰発現マウスが作られた(表2)。しかし、ノックアウトマウスは、予想に比べて穏やかな表現型しか出なかった。一方、過剰発現系では神経変性疾患を模すようなニューロフィラメントの蓄積が見られた。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
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