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=== プラスミン(plasmin) === | === プラスミン(plasmin) === | ||
プラスミノーゲンはtPAによって切断されて幅広い特異性をもつプラスミンになる。このtPA-プラスミンカスケードは神経可塑性に関わっている。プラスミン活性はLTPのいくつかの形に重要であることが示されてきている。例えば、プラスミンの投与時に[[テタナス刺激]]を同時に行うとLTPが増強された。プラスミンによるproBDNFから成熟BDNFへの活性化はL-LTPの発現に重要であることが明らかとなっている。動物個体による行動研究から、[[側坐核]]へのプラスミンの微量注入の結果、モルヒネ依存性の[[ドーパミン]]放出が増強され、マウスの過剰運動など薬物依存の症状が見られた。ここでは、プラスミンによるprotease-activated receptor1(PAR1)の活性化を介することが示されている<ref name="ref1" /> 。 | プラスミノーゲンはtPAによって切断されて幅広い特異性をもつプラスミンになる。このtPA-プラスミンカスケードは神経可塑性に関わっている。プラスミン活性はLTPのいくつかの形に重要であることが示されてきている。例えば、プラスミンの投与時に[[テタナス刺激]]を同時に行うとLTPが増強された。プラスミンによるproBDNFから成熟BDNFへの活性化はL-LTPの発現に重要であることが明らかとなっている。動物個体による行動研究から、[[側坐核]]へのプラスミンの微量注入の結果、モルヒネ依存性の[[ドーパミン]]放出が増強され、マウスの過剰運動など薬物依存の症状が見られた。ここでは、プラスミンによるprotease-activated receptor1(PAR1)の活性化を介することが示されている<ref name="ref1" /> 。 | ||
=== ニューロトリプシン(Neurotrypsin) === | === ニューロトリプシン(Neurotrypsin) === | ||
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=== A disintegrin and metalloproteinase(ADAM) === | === A disintegrin and metalloproteinase(ADAM) === | ||
ADAMは動物の受精にかかわることで注目された。ヒトに21個、マウスに37個あるADAM遺伝子のうち7個が精巣に発現している。一方、ADAMは神経発生と機能に重要な役割をはたすことも明らかとなってきた。ADAMと ADAMT<br>S(ADAM proteases with thrombospondin motif(後述))はディスインテグリン様ドメインをもち、このドメインによってインテグリンと結合する。ADAM15を除くADAMは古典的なRGDインテグリン結合モチーフをもたず、(D/E)ECD モチーフを持ち、このモチーフがインテグリン結合特異性に貢献し、細胞接着に関係する。逆に、ADAMとADAMTSのシステインリッチドメインはシンデカン、ファイブロネクチン、ほかのADAMとの結合を介して細胞接着を促進する。多くのADAM(ADAM-10とADAM-17を除いて)は、膜貫通ドメインに近接する上皮成長因子(EGF)likeドメインをもつ。ADAMの細胞内ドメインは、様々な長さを持ち、シグナル伝達に関与すると考えられている。ADAMの多くが神経系に発現している。しかしながら、ADAM-22欠損マウスとADAM-23欠損マウスはたとえば、運動失調、歩行困難、震えなどのフェノタイプを示す。ADAM-10 欠損マウスとADAM-17欠損マウスは胎生、周産期致死となる<ref name="ref2"/><ref name="ref3" />。 | ADAMは動物の受精にかかわることで注目された。ヒトに21個、マウスに37個あるADAM遺伝子のうち7個が精巣に発現している。一方、ADAMは神経発生と機能に重要な役割をはたすことも明らかとなってきた。ADAMと ADAMT<br>S(ADAM proteases with thrombospondin motif(後述))はディスインテグリン様ドメインをもち、このドメインによってインテグリンと結合する。ADAM15を除くADAMは古典的なRGDインテグリン結合モチーフをもたず、(D/E)ECD モチーフを持ち、このモチーフがインテグリン結合特異性に貢献し、細胞接着に関係する。逆に、ADAMとADAMTSのシステインリッチドメインはシンデカン、ファイブロネクチン、ほかのADAMとの結合を介して細胞接着を促進する。多くのADAM(ADAM-10とADAM-17を除いて)は、膜貫通ドメインに近接する上皮成長因子(EGF)likeドメインをもつ。ADAMの細胞内ドメインは、様々な長さを持ち、シグナル伝達に関与すると考えられている。ADAMの多くが神経系に発現している。しかしながら、ADAM-22欠損マウスとADAM-23欠損マウスはたとえば、運動失調、歩行困難、震えなどのフェノタイプを示す。ADAM-10 欠損マウスとADAM-17欠損マウスは胎生、周産期致死となる<ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。 | ||
=== ADAM proteases with thrombospondin motif(ADAMTS) === | === ADAM proteases with thrombospondin motif(ADAMTS) === | ||
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== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
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1.Antoine G. Almonte, J. David Sweatt <br>Serine proteases, serine protease inhibitors, and protease-activated receptors: Roles in synapticfunction and behavior <br>B R A I N R E S E A R C H 1 4 0 7 ( 2 0 1 1 ) 1 0 7 – 1 2 2 [[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21782155| PubMed:21782155 ]] | 1.Antoine G. Almonte, J. David Sweatt <br>Serine proteases, serine protease inhibitors, and protease-activated receptors: Roles in synapticfunction and behavior <br>B R A I N R E S E A R C H 1 4 0 7 ( 2 0 1 1 ) 1 0 7 – 1 2 2 [[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21782155| PubMed:21782155 ]] |
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