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[[血液脳関門]]が損なわれる病態においてトロンビン(thrombin)は、脳実質内に入る他、脳内においても合成されることが知られる。従って、病態のみならず、正常脳においても何らかの役割を果たすことが示唆されている。[[初代培養|培養神経細胞]]や[[神経芽細胞腫]]細胞にトロンビンを投与すると[[神経突起]]伸長を阻害する。高濃度のトロンビンで処理すると、[[神経細胞]]と[[アストロサイト]]の両方で[[アポトーシス]]が誘導される。一方、トロンビンは神経可塑性にも関係する。海馬スライスにトロンビンをバスアプライすると、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]電流が増強される。短時間のトロンビン暴露はゆっくりとした長続きする[[フィールド後シナプス電位]](fEPSP)を誘導する<ref name="ref1"><pubmed> 21782155 </pubmed></ref><ref name="ref3"><pubmed>21893397</pubmed></ref> 。 | [[血液脳関門]]が損なわれる病態においてトロンビン(thrombin)は、脳実質内に入る他、脳内においても合成されることが知られる。従って、病態のみならず、正常脳においても何らかの役割を果たすことが示唆されている。[[初代培養|培養神経細胞]]や[[神経芽細胞腫]]細胞にトロンビンを投与すると[[神経突起]]伸長を阻害する。高濃度のトロンビンで処理すると、[[神経細胞]]と[[アストロサイト]]の両方で[[アポトーシス]]が誘導される。一方、トロンビンは神経可塑性にも関係する。海馬スライスにトロンビンをバスアプライすると、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]電流が増強される。短時間のトロンビン暴露はゆっくりとした長続きする[[フィールド後シナプス電位]](fEPSP)を誘導する<ref name="ref1"><pubmed> 21782155 </pubmed></ref><ref name="ref3"><pubmed>21893397</pubmed></ref> 。 | ||
=== 組織プラスミノーゲンアクチベーター | === 組織プラスミノーゲンアクチベーター=== | ||
[[Image:図tPA2.jpg|thumb|300px|<b>図1.tPAのレセプターを介したシグナル伝達経路</b><br />参考:中枢神経系におけるtPAの役割 永井信夫 血栓止血誌20(1)18~22 2009]] | [[Image:図tPA2.jpg|thumb|300px|<b>図1.tPAのレセプターを介したシグナル伝達経路</b><br />参考:中枢神経系におけるtPAの役割 永井信夫 血栓止血誌20(1)18~22 2009]] |