「細胞膜」の版間の差分

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===脂質組成  ===
===脂質組成  ===


 生体膜脂質の組成は細胞種やオルガネラによって大きく異なるが、動物細胞では一般に[[wikipedia:ja:リン脂質|リン脂質]]が大部分を占め、[[wikipedia:ja:糖脂質|糖脂質]]などは比較的少ない。具体的には、[[wikipedia:ja:ホスファチジルコリン|ホスファチジルコリン]](PC)、[[wikipedia:ja:スフィンゴミエリン|スフィンゴミエリン]](SM)、[[wikipedia:ja:ホスファチジルエタノールアミン|ホスファチジルエタノールアミン]](PE)、[[wikipedia:ja:ホスファチジルセリン|ホスファチジルセリン]](PS)が多い。一方、細胞膜の特徴はSMと[[コレステロール]]が豊富であることである。[[ラット]][[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]由来の細胞膜を例にとると、リン脂質のおよそ40 mol%がPC、20 mol%がSMであり、コレステロール/リン脂質比は0.8~1に達する<ref><pubmed>5134192</pubmed></ref><ref><pubmed>18216768</pubmed></ref>。人工膜を用いた実験において、コレステロールは[[wikipedia:ja:飽和アルキル鎖|飽和アルキル鎖]]と高い親和性をもつという知見があり、コレステロールの存在によってスフィンゴ脂質が「[[脂質ラフト]]」と呼ばれる液体秩序相を形成する可能性が指摘されている。定常状態の細胞膜に脂質ラフトが存在するか否かは論争のあるところであるが、種々の方法によって同一膜における脂質の不均一分布が確認されている。詳しくは脂質ラフトの項を参照されたい。
 生体膜脂質の組成は細胞種やオルガネラによって大きく異なるが、動物細胞では一般に[[wikipedia:ja:リン脂質|リン脂質]]が大部分を占め、[[wikipedia:ja:糖脂質|糖脂質]]などは比較的少ない。具体的には、[[wikipedia:ja:ホスファチジルコリン|ホスファチジルコリン]](PC)、[[wikipedia:ja:スフィンゴミエリン|スフィンゴミエリン]](SM)、[[wikipedia:ja:ホスファチジルエタノールアミン|ホスファチジルエタノールアミン]](PE)、[[wikipedia:ja:ホスファチジルセリン|ホスファチジルセリン]](PS)が多い。一方、細胞膜の特徴はSMと[[コレステロール]]が豊富であることである。[[ラット]][[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]由来の細胞膜を例にとると、リン脂質のおよそ40 mol%がPC、20 mol%がSMであり、コレステロール/リン脂質比は0.8~1に達する<ref><pubmed>5134192</pubmed></ref><ref><pubmed>18216768</pubmed></ref>。人工膜を用いた実験において、コレステロールは[[wikipedia:ja:飽和アシル鎖|飽和アシル鎖]]と高い親和性をもつという知見があり、コレステロールの存在によってスフィンゴ脂質が「[[脂質ラフト]]」と呼ばれる液体秩序相を形成する可能性が指摘されている。定常状態の細胞膜に脂質ラフトが存在するか否かは論争のあるところであるが、種々の方法によって同一膜における脂質の不均一分布が確認されている。詳しくは脂質ラフトの項を参照されたい。


 また同一膜内における2次元的な不均一分布に加えて、生体膜における膜脂質は2重層の外葉と内葉とでは組成に偏りがあることが知られている(図2)。これに関しては、[[#脂質分布の非対称性|脂質分布の非対称性]]の項で詳述する。
 また同一膜内における2次元的な不均一分布に加えて、生体膜における膜脂質は2重層の外葉と内葉とでは組成に偏りがあることが知られている(図2)。これに関しては、[[#脂質分布の非対称性|脂質分布の非対称性]]の項で詳述する。
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