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真核生物ゲノムの全遺伝子の約2%はキナーゼをコードする(ただし、ヒトの場合、キナーゼ518種の内、約50種には活性がなく、106種は偽遺伝子であると考えられる)。酵母にはチロシンキナーゼは存在せず、線虫 ''C. elegans''(19,100遺伝子)には全キナーゼ数454(2.4%)の内チロシンキナーゼは90種、ショウジョウバエ ''D. melanogaster''(13,600遺伝子)には全キナーゼ数239(1.8%)の内チロシンキナーゼは32種、ヒト ''H. sapiens''(23,000遺伝子)には全キナーゼ数518(2.2%)の内チロシンキナーゼは90種が存在する。 | 真核生物ゲノムの全遺伝子の約2%はキナーゼをコードする(ただし、ヒトの場合、キナーゼ518種の内、約50種には活性がなく、106種は偽遺伝子であると考えられる)。酵母にはチロシンキナーゼは存在せず、線虫 ''C. elegans''(19,100遺伝子)には全キナーゼ数454(2.4%)の内チロシンキナーゼは90種、ショウジョウバエ ''D. melanogaster''(13,600遺伝子)には全キナーゼ数239(1.8%)の内チロシンキナーゼは32種、ヒト ''H. sapiens''(23,000遺伝子)には全キナーゼ数518(2.2%)の内チロシンキナーゼは90種が存在する。 | ||
チロシンキナーゼは、受容体型および非受容体型に大別される。ヒトには58種の[[受容体型チロシンキナーゼ]]と32種の非受容体型チロシンキナーゼ(以下に記載)が存在する。 | |||
非受容体型チロシンキナーゼ | |||
1979年Tony Hunterにより、癌遺伝子産物v-Srcおよび癌原遺伝子産物c-Srcがチロシンリン酸化活性を持つことが発見された。これが最初のチロシンキナーゼの報告例であり、以後多くのチロシンキナーゼが同定された。非受容体型チロシンキナーゼは、構造的に、細胞外領域をもたず、細胞内領域にチロシンキナーゼドメインをもつ。チロシンキナーゼドメイン中に自己リン酸化部位を含み、キナーゼ活性を調節している。多くの非受容体型チロシンキナーゼは、神経系においても様々な細胞膜受容体と会合して、膜受容体から細胞内への情報伝達を担う。 | 1979年Tony Hunterにより、癌遺伝子産物v-Srcおよび癌原遺伝子産物c-Srcがチロシンリン酸化活性を持つことが発見された。これが最初のチロシンキナーゼの報告例であり、以後多くのチロシンキナーゼが同定された。非受容体型チロシンキナーゼは、構造的に、細胞外領域をもたず、細胞内領域にチロシンキナーゼドメインをもつ。チロシンキナーゼドメイン中に自己リン酸化部位を含み、キナーゼ活性を調節している。多くの非受容体型チロシンキナーゼは、神経系においても様々な細胞膜受容体と会合して、膜受容体から細胞内への情報伝達を担う。 |
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