「ノルアドレナリン」の版間の差分

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*'''[[モノアミン酸化酵素]](monoamine oxidase, MAO)''':MAOはモノアミンのアミノ基を[[wikipedia:ja:アルデヒド|アルデヒド]]基に酸化する。MAOは[[ミトコンドリア]]外膜に局在しに存在し、細胞内のノルアドレナリン(再取込みされたものを含む)の分解に関与する。ただしMAOに比べてvMAT2の方がノルアドレナリンに対する親和性がずっと高いため、シナプス小胞への取り込みの方がMAOによる分解よりも優先されると考えられる<ref name="ref12"><pubmed> 16552415</pubmed></ref>。MAOには[[MAO-A]]と[[MAO-B]]があり、二つの別の遺伝子によりコードされている。MAO-AとMAO-Bはモノアミン作動性神経細胞および[[グリア細胞]]に発現しているが、発現量は細胞の種類により異なり、また動物種によっても違いが見られる<ref name="ref12" />。[[マウス]]脳のノルアドレナリン作動性神経細胞には主にMAO-Aが発現している<ref name="ref13"><pubmed> 11793338 </pubmed></ref>。。  
*'''[[モノアミン酸化酵素]](monoamine oxidase, MAO)''':MAOはモノアミンのアミノ基を[[wikipedia:ja:アルデヒド|アルデヒド]]基に酸化する。MAOは[[ミトコンドリア]]外膜に局在しに存在し、細胞内のノルアドレナリン(再取込みされたものを含む)の分解に関与する。ただしMAOに比べてvMAT2の方がノルアドレナリンに対する親和性がずっと高いため、シナプス小胞への取り込みの方がMAOによる分解よりも優先されると考えられる<ref name="ref12"><pubmed> 16552415</pubmed></ref>。MAOには[[MAO-A]]と[[MAO-B]]があり、二つの別の遺伝子によりコードされている。MAO-AとMAO-Bはモノアミン作動性神経細胞および[[グリア細胞]]に発現しているが、発現量は細胞の種類により異なり、また動物種によっても違いが見られる<ref name="ref12" />。[[マウス]]脳のノルアドレナリン作動性神経細胞には主にMAO-Aが発現している<ref name="ref13"><pubmed> 11793338 </pubmed></ref>。。  
*'''[[カテコール-''O''-メチル基転移酵素]](catechol-''O''-methyltransferase, COMT)''':これはカテコール基の[[wikipedia:ja:メタ|メタ]]位[[wikipedia:ja:水酸基|水酸基]]に[[wikipedia:ja:メチル基|メチル基]]を転移させる。[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]や[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]に豊富だが、カテコールアミン作動性神経細胞の投射先においても発現している。細胞外で働くと考えられている<ref name="ref14"><pubmed> 21846718 </pubmed></ref>。
*'''[[カテコール-O-メチル基転移酵素|カテコール-''O''-メチル基転移酵素]](catechol-''O''-methyltransferase, COMT)''':これはカテコール基の[[wikipedia:ja:メタ|メタ]]位[[wikipedia:ja:水酸基|水酸基]]に[[wikipedia:ja:メチル基|メチル基]]を転移させる。[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]や[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]に豊富だが、カテコールアミン作動性神経細胞の投射先においても発現している。細胞外で働くと考えられている<ref name="ref14"><pubmed> 21846718 </pubmed></ref>。


 脳においてノルアドレナリンの多くは、MAO、[[アルデヒド還元酵素]]、およびCOMTにより[[wikipedia:ja:3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール|3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール]] (3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol, MHPG)へ代謝され、さらに[[wikipedia:ja:3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸|3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸]] (3-methoxy-4-hydroxymandelic acid) (または[[wikipedia:ja:バニリルマンデル酸|バニリルマンデル酸]] (vanillylmandelic acid, VMA)となって尿中に排出される<ref name="ref15">'''D E Golan, A H Tashjian Jr, E J Armstrong, A W Armstrong'''<br> Principles of Pharmacology, Second Edition<br>''Wolters Kluwer Health (Philadelphia)'':2002</ref>。MHPGの硫酸化物も尿中に排出される<ref name="ref15" />。  
 脳においてノルアドレナリンの多くは、MAO、[[アルデヒド還元酵素]]、およびCOMTにより[[wikipedia:ja:3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール|3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール]] (3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol, MHPG)へ代謝され、さらに[[wikipedia:ja:3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸|3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸]] (3-methoxy-4-hydroxymandelic acid) (または[[wikipedia:ja:バニリルマンデル酸|バニリルマンデル酸]] (vanillylmandelic acid, VMA)となって尿中に排出される<ref name="ref15">'''D E Golan, A H Tashjian Jr, E J Armstrong, A W Armstrong'''<br> Principles of Pharmacology, Second Edition<br>''Wolters Kluwer Health (Philadelphia)'':2002</ref>。MHPGの硫酸化物も尿中に排出される<ref name="ref15" />。


== 主たる投射系と機能 ==
== 主たる投射系と機能 ==

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