「チロシンリン酸化」の版間の差分

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1979年Tony Hunterにより、癌遺伝子産物v-Srcおよび癌原遺伝子産物c-Srcがチロシンリン酸化活性を持つことが発見された。これが最初のチロシンキナーゼの報告例であり、以後多くのチロシンキナーゼが同定された。Srcを含む非受容体型チロシンキナーゼは、構造的に細胞外領域をもたず、細胞内領域にチロシンキナーゼドメインをもつ。チロシンキナーゼドメイン中には自己リン酸化部位およびATP結合部位を含み、自己リン酸化によりキナーゼ活性を調節している。Srcファミリーチロシンキナーゼ(Src、Yes、Fyn、Fgr、Lyn、Lck、Hck、Blk、Frkの9種があり、脳では、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lckが高発現を示す)の場合、N末端領域にミリスチル化部位やパルミトイル化部位を有し、これらの脂質修飾により細胞膜に局在する様になる。非受容体型チロシンキナーゼは、神経系においても様々な膜受容体と会合して、膜受容体から細胞内への情報伝達を担う。
1979年Tony Hunterにより、癌遺伝子産物v-Srcおよび癌原遺伝子産物c-Srcがチロシンリン酸化活性を持つことが発見された。これが最初のチロシンキナーゼの報告例であり、以後多くのチロシンキナーゼが同定された。Srcを含む非受容体型チロシンキナーゼは、構造的に細胞外領域をもたず、細胞内領域にチロシンキナーゼドメインをもつ。チロシンキナーゼドメイン中には自己リン酸化部位およびATP結合部位を含み、自己リン酸化によりキナーゼ活性を調節している。Srcファミリーチロシンキナーゼ(Src、Yes、Fyn、Fgr、Lyn、Lck、Hck、Blk、Frkの9種があり、脳では、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lckが高発現を示す)の場合、N末端領域にミリスチル化部位やパルミトイル化部位を有し、これらの脂質修飾により細胞膜に局在する様になる。非受容体型チロシンキナーゼは、神経系においても様々な膜受容体と会合して、膜受容体から細胞内への情報伝達を担う。


タンパク質間の結合を制御する機構として、多くの非受容体型チロシンキナーゼには、SH(Src Homology)2ドメインおよびSH3ドメインとよばれるドメイン構造が存在する。SH2ドメインはリン酸化チロシン残基(pTyr)を、SH3はプロリンリッチ領域(X-Pro-X-X-Pro)を、それぞれ認識して結合することで、細胞内情報伝達系におけるタンパク質-タンパク質結合を制御する。これらのドメインは構造的に保存されたアミノ酸配列を持ち、Srcファミリーチロシンキナーゼにおいて最初に見出された。Abl、Fes、Syk/Zap70、Tec、Ack、Csk、Srm、Rak等の非受容体型チロシンキナーゼや、PI3K(phosphatidylinositol-3 kinase)、PLC(phospholipase C)-gamma等のセリン・スレオニンキナーゼ、またGrb2、Nck等のアダプタータンパク質もこれらのドメイン構造を持つ。SH2ドメインは、約100アミノ酸残基の領域であり、2つのアルファヘリックスと7つのベータシートから構成される。SH3ドメインは、約60アミノ酸残基の領域であり、5つないし6つのベータシートからなる典型的なベータバレル構造をもつ。
タンパク質間の結合を制御する機構として、多くの非受容体型チロシンキナーゼには、SH(Src Homology)2ドメインおよびSH3ドメインとよばれるドメイン構造が存在する。SH2ドメインはリン酸化チロシン残基(pTyr)を、SH3はプロリンリッチ領域(X-Pro-X-X-Pro)を、それぞれ認識して結合することで、細胞内情報伝達系におけるタンパク質-タンパク質結合を制御する。これらのドメインは構造的に保存されたアミノ酸配列を持ち、Srcファミリーチロシンキナーゼにおいて最初に見出された。更に、Abl、Fes、Syk/Zap70、Tec、Ack、Csk、Srm、Rak等の非受容体型チロシンキナーゼや、PI3K(phosphatidylinositol-3 kinase)、PLC(phospholipase C)-gamma等のセリン・スレオニンキナーゼ、またGrb2、Nck等のアダプタータンパク質もこれらのドメイン構造を持つことが明らかになった。SH2ドメインは、約100アミノ酸残基の領域であり、2つのアルファヘリックスと7つのベータシートから構成される。SH3ドメインは、約60アミノ酸残基の領域であり、5つないし6つのベータシートからなる典型的なベータバレル構造をもつ。


チロシンフォスファターゼは、保存されたモチーフ(Ile/Val)-His-Cys-X-Ala-Gly-X-X-Arg-(Ser/Thr)-Glyを活性中心にもつ。このシステイン残基のある酵素活性中心が、リン酸化チロシンを認識し結合する。
チロシンフォスファターゼは、保存されたモチーフ(Ile/Val)-His-Cys-X-Ala-Gly-X-X-Arg-(Ser/Thr)-Glyを活性中心にもつ。このシステイン残基のある酵素活性中心が、リン酸化チロシンを認識し結合する。
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