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側頭葉内側部(Medial Temporal Lobes;以下MTL)は歯状回,海馬,鉤状回,内嗅皮質,扁桃体を含んだ領域で,一般にエピソード記憶と関係していると考えられている。ソースモニタリングにとって大事なのは特徴や特徴群を統合する過程であるが,これらの過程は,回想・親近性といった記憶と関連する感情とともに,とくに海馬や海馬傍回で生じると考えられている。 | 側頭葉内側部(Medial Temporal Lobes;以下MTL)は歯状回,海馬,鉤状回,内嗅皮質,扁桃体を含んだ領域で,一般にエピソード記憶と関係していると考えられている。ソースモニタリングにとって大事なのは特徴や特徴群を統合する過程であるが,これらの過程は,回想・親近性といった記憶と関連する感情とともに,とくに海馬や海馬傍回で生じると考えられている。 | ||
DRMパラダイム(Deese-Roediger-McDermott paradigm: Roediger & McDermott, 1995) などにおいて,海馬は,「覚えている」かをテストするときの方が「知っている」かをテストするときより,また既出かどうかを正しく同定できたアイテムを符号化するときの方が間違って符号化するときよりも活動が活発になることが知られている(Davachi, 2006)。これは,アイテムを符号化し記憶している最中に,海馬が記憶特徴と複雑なエピソード記憶を結びつけるのに関わっていることを示している。 | DRMパラダイム(Deese-Roediger-McDermott paradigm: Roediger & McDermott, 1995) などにおいて,海馬は,「覚えている」かをテストするときの方が「知っている」かをテストするときより,また既出かどうかを正しく同定できたアイテムを符号化するときの方が間違って符号化するときよりも活動が活発になることが知られている(Davachi, 2006)。これは,アイテムを符号化し記憶している最中に,海馬が記憶特徴と複雑なエピソード記憶を結びつけるのに関わっていることを示している。 | ||
c.f. DRMパラダイム:学習時に実際には呈示されない単語であるルアー項目(例えば,太陽) の連想語(例えば,月,光)をから成り立つリスト(以下,DRMリスト)を呈示する。そして,テスト時には学習項目とルアー項目,その他の未学習項目からなるDRMリストを用いて再認判断を求める。すると,ルアー項目は,他の未学習項目と比較して高い確率で再認される。 | |||
海馬の周辺に存在する海馬傍回は海馬とは異なり,新しいアイテムを既出だとしてしまう不正解やフォルス・アラームのときに活動が活発になるが,既出のアイテムをミスしてしまうときには活発にはならない。また,同じドメイン(言葉-言葉,顔-顔など)に類するアイテムをまとめるときには海馬傍回の活動が活発になっていることなどから,海馬傍回は同じドメインに所属する特徴の関連づけに関わっていると考えられる(Davachi, 2006; Mayas et al., 2007)。 | 海馬の周辺に存在する海馬傍回は海馬とは異なり,新しいアイテムを既出だとしてしまう不正解やフォルス・アラームのときに活動が活発になるが,既出のアイテムをミスしてしまうときには活発にはならない。また,同じドメイン(言葉-言葉,顔-顔など)に類するアイテムをまとめるときには海馬傍回の活動が活発になっていることなどから,海馬傍回は同じドメインに所属する特徴の関連づけに関わっていると考えられる(Davachi, 2006; Mayas et al., 2007)。 |
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