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ヒトでのプリオン病の発症は人口100万人当たり1人程度とされており、非常にまれな疾患である。わが国では第五類感染症に指定されている。現在までに知られているプリオン病は、有効な治療法が確立しておらず致死性である。 | ヒトでのプリオン病の発症は人口100万人当たり1人程度とされており、非常にまれな疾患である。わが国では第五類感染症に指定されている。現在までに知られているプリオン病は、有効な治療法が確立しておらず致死性である。 | ||
CJDの臨床症状としては、急速に進行する認知症、全身性ミオクローヌスなどが特徴である。しかし、生前診断ではCJDと診断されず、剖検によって初めてCJDと診断される症例も存在する。CJDの早期診断は非常に困難なことが多いが、近年、脳波での周期性同期性放電、髄液中の14-3- | CJDの臨床症状としては、急速に進行する認知症、全身性ミオクローヌスなどが特徴である。しかし、生前診断ではCJDと診断されず、剖検によって初めてCJDと診断される症例も存在する。CJDの早期診断は非常に困難なことが多いが、近年、脳波での周期性同期性放電、髄液中の14-3-3タンパク、MRIにおける大脳基底核や大脳皮質での高信号などによる診断が有効であることが知られてきた。また、プリオン遺伝子の遺伝子検査も家族性、孤発性を問わず診断には重要である。 | ||
プリオン病の病理所見としては、PrP<sup>Sc</sup> | プリオン病の病理所見としては、PrP<sup>Sc</sup>の沈着、灰白質における空砲の形成や海綿状変性、クールー斑の形成、グリオーシスなどが挙げられる。CJDでは海綿状変性が、GSSではクールー斑の出現が、それぞれ特徴的に観察される。PrP<sup>Sc</sup>の沈着はシナプス型、プラーク型の染色パターンがあり、プリオン病の指標となる。プリオン病の組織病理はプリオンタンパクの変異の種類や「プリオン株」の種類によって非常に多彩となり、プリオン病の大部分を占めるCJDにおいてもその病理所見は多彩である。 | ||
== プリオン仮説 == | == プリオン仮説 == |
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