「ミリストイル化」の版間の差分

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== ''N''-ミリストイル化酵素  ==
== ''N''-ミリストイル化酵素  ==


 タンパク質の''N''-ミリストイル化はGCN5 ''N''-アセチルトランスフェラーゼ (GNAT)スーパーファミリーに属する''N''-ミリストイルトランスフェラーゼ(''N''-myristoyl transferase;NMT)が担っている<sup>[4]</sup>。NMTは真核生物間で保存され、哺乳類ではNMT1およびNMT2の2種類が同定されている。NMT1/2は各組織に普遍的に発現が認められる。両者は基質特異性(6節を参照)を共有しているものの、NMT1ノックアウトマウスは胚発生時に致死となることからNMT2の代償作用は得られず、両者の間には厳密な役割分担があると考えられている。<br> NMTの触媒メカニズムは酵母''S. cerevisiae'' NMTの解析から明らかにされた<ref><pubmed>2198291</pubmed></ref>。NMTはミリストイル-CoAを選択的に捕捉し、ペプチド基質がNMTに結合した後にミリスチン酸がN末端グリシンに移行して、CoAおよびミリストイル化基質が放出される。<br> 細胞内においてNMTの活性は熱ショックタンパク質NIP71(NMT inhibitor protein 71またはHSC70)および糖分解酵素エノラーゼ(enolase)によって制御される。また、NMTの活性はNMTのリン酸化によっても制御されることが知られている。
 タンパク質の''N''-ミリストイル化はGCN5 ''N''-アセチルトランスフェラーゼ (GNAT)スーパーファミリーに属する''N''-ミリストイルトランスフェラーゼ(''N''-myristoyl transferase;NMT)が担っている<sup>[4]</sup>。NMTは真核生物間で保存され、哺乳類では[[wikipedia:N-myristoyltransferase_1|NMT1]]および[[wikipedia:N-myristoyltransferase_1|NMT2]]の2種類が同定されている。NMT1/2は各組織に普遍的に発現が認められる。両者は基質特異性(下記参照)を共有しているものの、NMT1[[ノックアウトマウス]]は胚発生時に致死となることからNMT2の代償作用は得られず、両者の間には厳密な役割分担があると考えられている。


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 NMTの触媒メカニズムは[[wikipedia:ja:酵母|酵母]]''S. cerevisiae'' NMTの解析から明らかにされた<ref><pubmed>2198291</pubmed></ref>。NMTはミリストイル-CoAを選択的に捕捉し、ペプチド基質がNMTに結合した後にミリスチン酸がN末端グリシンに移行して、CoAおよびミリストイル化基質が放出される。
 
 細胞内においてNMTの活性は[[熱ショックタンパク質]]NIP71(NMT inhibitor protein 71またはHSC70)および糖分解酵素[[エノラーゼ]](enolase)によって制御される。また、NMTの活性はNMTのリン酸化によっても制御されることが知られている。


== ''N''-ミリストイル化機構&nbsp;  ==
== ''N''-ミリストイル化機構&nbsp;  ==

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