「ミリストイル化」の版間の差分

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=== 癌  ===
=== 癌  ===


 癌遺伝子産物であるSrcキナーゼファミリーはN-ミリストイル化によりキナーゼ活性が亢進することから、N-ミリストイル化すなわちNMTの活性は癌と密接に関係している。これまでいくつかの腫瘍形成モデルから癌組織(結腸癌、肺癌、胆嚢癌、脳腫瘍等)において、NMTの発現量およびミリストイル化酵素活性が増加することが報告されている。とりわけ、結腸癌組織では正常組織に比べNMTの活性が高いことが古くから知られている<ref><pubmed>7563206</pubmed></ref>。また、NMTの活性は癌の進行度とも関係があり、NMTの活性は結腸の癌化プロセスの初期段階であるDukesステージB(リンパ節転移無し)で最大であり、さらなる進行(Dukes ステージC;リンパ節転移有り)に伴って減少する。これらの知見からNMTは結腸癌の初期段階のマーカーとして用いられている。近年、特にNMT2の発現量が増加していることが明らかになっている。しかしながら、NMTの発現量の増加やミリストイル化活性が亢進する分子メカニズムは明らかになっていない。  
 癌遺伝子産物であるSrcキナーゼファミリーは''N''-ミリストイル化によりキナーゼ活性が亢進することから、''N''-ミリストイル化すなわちNMTの活性は癌と密接に関係している。これまでいくつかの腫瘍形成モデルから癌組織(結腸癌、肺癌、胆嚢癌、脳腫瘍等)において、NMTの発現量およびミリストイル化酵素活性が増加することが報告されている。とりわけ、結腸癌組織では正常組織に比べNMTの活性が高いことが古くから知られている<ref><pubmed>7563206</pubmed></ref>。また、NMTの活性は癌の進行度とも関係があり、NMTの活性は結腸の癌化プロセスの初期段階であるDukesステージB(リンパ節転移無し)で最大であり、さらなる進行(Dukes ステージC;リンパ節転移有り)に伴って減少する。これらの知見からNMTは結腸癌の初期段階のマーカーとして用いられている。近年、特にNMT2の発現量が増加していることが明らかになっている。しかしながら、NMTの発現量の増加やミリストイル化活性が亢進する分子メカニズムは明らかになっていない。  


=== 神経関連疾患  ===
=== 神経関連疾患  ===
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