「損失回避」の版間の差分
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英:loss aversion | 英:loss aversion | ||
損失回避(loss aversion)とは、ある額を得る場合(gain)の効用と失う場合(loss)の不効用を比べると、後者のほうが大きいという個人の選好である。[[行動経済学]](behavioral economics)における重要な理論である、[[プロスペクト理論]](prospect theory)を構成する一要素である。 | 損失回避(loss aversion)とは、ある額を得る場合(gain)の効用と失う場合(loss)の不効用を比べると、後者のほうが大きいという個人の選好である。[[行動経済学]](behavioral economics)における重要な理論である、[[プロスペクト理論]](prospect theory)を構成する一要素である。 | ||
==期待効用理論とその反証== | ==期待効用理論とその反証== | ||
「くじ」のようなリスクのある事象に対する[[意思決定]]問題は、古くから議論がなされてきた。いくつかのくじからどれが選ばれるか、という問題を説明するのに第一に使われたのは、[[wikipedia:ja:期待値|期待値]](expected value)である。期待値はくじの結果 <math>x_i \!</math> をそれぞれの出現確率 <math>p_i \!</math> で加重和をとったもので、 | 「くじ」のようなリスクのある事象に対する[[意思決定]]問題は、古くから議論がなされてきた。いくつかのくじからどれが選ばれるか、という問題を説明するのに第一に使われたのは、[[wikipedia:ja:期待値|期待値]](expected value)である。期待値はくじの結果 <math>x_i \!</math> をそれぞれの出現確率 <math>p_i \!</math> で加重和をとったもので、 | ||
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様々な利益・損失を組み合わせたくじによる研究では、利益が増えるにつれ[[線条体]]・[[前頭前皮質]]・前帯状皮質などの部位が賦活化するが、損失が増えても賦活化せず、むしろ賦活化しなくなる部位があることが示されている。また、賦活量にも「損失回避」の傾向が見られ、実際の損失回避行動と相関があることも検証されている。<ref><pubmed>17255512</pubmed></ref> | 様々な利益・損失を組み合わせたくじによる研究では、利益が増えるにつれ[[線条体]]・[[前頭前皮質]]・前帯状皮質などの部位が賦活化するが、損失が増えても賦活化せず、むしろ賦活化しなくなる部位があることが示されている。また、賦活量にも「損失回避」の傾向が見られ、実際の損失回避行動と相関があることも検証されている。<ref><pubmed>17255512</pubmed></ref> | ||
==関連項目== | |||
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==参考文献== | ==参考文献== | ||
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(執筆者:大竹文雄 担当編集委員:定藤規弘) | |||