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ヒトを含む霊長類の大脳皮質における機能局在として最も明らかになっているのは、後頭葉の一次視覚野をはじめとして、後頭葉のみならず側頭葉や頭頂葉に数多くの視覚領域が存在することであり、それぞれの視覚野には形態や色情報の処理から物体認知、また視覚空間の位置や運動情報の処理など独自の機能を有している。さらに、ヒトでは左右半球間に機能差があることが知られている。そのうち最も有名なのは、大多数のヒトでは左半球に言語野が存在することである。左中大脳動脈の血管障害によって前頭前野が傷害されることで発語傷害(運動性失語)が生じることをフランスの神経学者のブローカが報告し、この領域がブローカの運動言語中枢と呼ばれている。言語中枢を含め、ヒト脳の多彩な機能局在が近年の機能的MRIによるイメージングなどによって報告されている。 | ヒトを含む霊長類の大脳皮質における機能局在として最も明らかになっているのは、後頭葉の一次視覚野をはじめとして、後頭葉のみならず側頭葉や頭頂葉に数多くの視覚領域が存在することであり、それぞれの視覚野には形態や色情報の処理から物体認知、また視覚空間の位置や運動情報の処理など独自の機能を有している。さらに、ヒトでは左右半球間に機能差があることが知られている。そのうち最も有名なのは、大多数のヒトでは左半球に言語野が存在することである。左中大脳動脈の血管障害によって前頭前野が傷害されることで発語傷害(運動性失語)が生じることをフランスの神経学者のブローカが報告し、この領域がブローカの運動言語中枢と呼ばれている。言語中枢を含め、ヒト脳の多彩な機能局在が近年の機能的MRIによるイメージングなどによって報告されている。 | ||
1. Brodmann, K. | == 参考文献 == | ||
2. Vogt, O., and C Vogt | |||
3. von Bonin, G., and P. Bailey | 1. '''Brodmann, K.'''<br>Vergleichende Lokalizationlehre der Grosshirnrinde in ihren Prinzipien dargestellt auf Gund des Zellenbaues<br>J.A. Barth, Leipzig.1909 | ||
4. Rizzolatti, G. & Luppino, G. The cortical motor system. Neuron 31, 889-901 | |||
5. Van Essen, D.C., Anderson, C.H. & Felleman, D.J. | 2. '''Vogt, O., and C Vogt'''<br>Ergebnisse unserer Hirnforschung.<br>''J. Psychol. Neurol.'' (Leipzig) 1919, 25: 277-462. | ||
6. Hashimoto, R. & Sakai, K.L. | |||
3. '''von Bonin, G., and P. Bailey'''<br>The Neocortex of Macaca Mulatta<br>University of Illinois Press, Urbana.1947 | |||
4. '''Rizzolatti, G. & Luppino, G.'''<br>The cortical motor system. <br>Neuron; 2001, 31, 889-901. | |||
5. '''Van Essen, D.C., Anderson, C.H. & Felleman, D.J.'''<br>Information processing in the primate visual system: an integrated systems perspective.<br>''Science''; 1992, 255, 419-423. | |||
6. '''Hashimoto, R. & Sakai, K.L.'''<br>Specialization in the left prefrontal cortex for sentence comprehension.<br>''Neuron''; 2002, 35, 589-597. | |||
(執筆者:蔵田潔 担当編集委員:伊佐正) |