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===認知行動療法=== | ===認知行動療法=== | ||
[[認知行動療法]] | [[認知行動療法]]の不安障害に対する有効性は、多くのエビデンスにより示されている<ref>'''坂野雄二、貝谷久宣 、福井至'''<br>不安障害の認知行動療法<br>不安・抑うつ臨床研究会(編) 2010、 日本評論社 </ref>。認知行動療法の効果に関する[[wikipedia:ja:メタ分析|メタ分析]]の結果によれば、最も効果量が多いのは強迫性障害で0.64-2.20、それに続き、社交不安障害で0.39-0.86、心的外傷後ストレス障害で0.28-0.96、全般性不安障害で0.05-0.97、パニック障害0.04-0.65であった<ref><pubmed> 18363421 </pubmed></ref>。多くの報告は薬物療法の併用を推奨している。 | ||
== 経過・予後 == | == 経過・予後 == | ||
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[[image:不安障害4.png|thumb|300px|'''図4.不安障害の生涯有病率と他の不安障害および気分障害との生涯併発率'''<br>社交不安障害を例にした表の読み方 社交不安障害の発症年齢は10歳前後、その生涯有病率は5.0%、何らかの不安障害の併発は55.0%、特定の恐怖症の併発は36.4%、全般性不安障害の併発は21.6%、パニック障害の併発は20.4%、大うつ病の併発は33.4%、何らかの気分障害の併発は55.0% ]] | [[image:不安障害4.png|thumb|300px|'''図4.不安障害の生涯有病率と他の不安障害および気分障害との生涯併発率'''<br>社交不安障害を例にした表の読み方 社交不安障害の発症年齢は10歳前後、その生涯有病率は5.0%、何らかの不安障害の併発は55.0%、特定の恐怖症の併発は36.4%、全般性不安障害の併発は21.6%、パニック障害の併発は20.4%、大うつ病の併発は33.4%、何らかの気分障害の併発は55.0% ]] | ||
図4には不安障害の生涯有病率を示した。発症年齢が高い障害ほど他の不安障害の併発率が高い。パニック障害は他の不安障害発症後、長い経過を経て生じてくることが多く、他の不安障害より重症で社会的障害度が高い。また、不安障害は何らかの気分障害を伴う確率が高く(42~75%)、発症が遅い不安障害ほどその併発率は高い。不安障害には気分障害が併発しやすい。多くは不安障害が気分障害に前駆する。[[大うつ]] | 図4には不安障害の生涯有病率を示した。発症年齢が高い障害ほど他の不安障害の併発率が高い。パニック障害は他の不安障害発症後、長い経過を経て生じてくることが多く、他の不安障害より重症で社会的障害度が高い。また、不安障害は何らかの気分障害を伴う確率が高く(42~75%)、発症が遅い不安障害ほどその併発率は高い。不安障害には気分障害が併発しやすい。多くは不安障害が気分障害に前駆する。[[大うつ]]病の4割以上が何らかの不安障害を併発(前駆)する。そのような気分障害は非定型であることが多い<ref'''貝谷久宣 、兼子唯、巣山晴菜'''<br>DSM-5における精神障害 5.不安障害<br> | ||
臨床精神医学41(5):577-587、2012 </ref>。それ故、不安障害を論ずることなしに気分障害を論ずることはできない。 | |||
== 関連語 == | == 関連語 == | ||
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坂野雄二、不安・抑うつ臨床研究会(編訳)、2000、日本評論社 | 坂野雄二、不安・抑うつ臨床研究会(編訳)、2000、日本評論社 | ||
'''貝谷久宣、兼子唯、正木美奈、巣山晴菜、土田英人'''<br> | '''貝谷久宣、兼子唯、正木美奈、巣山晴菜、土田英人'''<br> |