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=== 細胞特性 === | === 細胞特性 === | ||
iPS細胞の一般的な細胞特性として、ES細胞を規定する特性である自己複製能、分化多能性、造腫瘍性、活発な増殖能、不死性を備えている。後述の通り、培養下においてiPS細胞を様々な[[細胞系譜]]へと分化誘導することも可能である。多能性幹細胞が有する分化多能性を表す一つの基準として、ナイーブ状態(naive state)とプライムド状態(primed state)の区分がある。ナイーブ状態は胚盤胞の内部細胞塊の起源をより強く反映していると考えられ、[[wikipedia:JA:マウス|マウス]]や[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]のES細胞はこちらに分類される。形態的にはドーム状のコロニーを形成し、[[wikipedia:LIF|LIF]]と[[wikipedia:BMP4|BMP4]]依存的に自己複製する。ナイーブ状態の中でも、非常に高いキメラ形成能および生殖系列への寄与を示す細胞はグラウンドステート(ground state)にあるとも表現される。一方、プライムド状態は胚盤胞より発生が進んだ[[wikipedia:JA:エピブラスト|エピブラスト]]の起源に相当すると考えられ、[[wikipedia:JA:ウサギ|ウサギ]]や[[wikipedia:JA:霊長類|霊長類]]のES細胞が含まれる。 自己複製には[[wikipedia:FGF2|FGF2]]と[[wikipedia:アクチビン|アクチビンA]]を必要とし、扁平なコロニーを形成して増殖する。iPS細胞の多能性状態(ナイーブまたはプライムド)は基本的に同種のES細胞と相同であるが、これは種の相違によって規定されているものではなく、各々の細胞株として反映する発生段階の差に起因すると考えられる。 | |||
=== 利点 === | === 利点 === |