「盲視」の版間の差分

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== 盲視での意識経験 ==
== 盲視での意識経験 ==


 盲視の被験者は視覚刺激に対してまったく意識経験がないわけではないらしい。たとえば有名な盲視被験者のGY氏は、視覚刺激の強度が高いときにはしばしば「何かある感じ」がすると報告する<ref name=ref8><pubmed> 9549486 </pubmed></ref>。しかしそれはいわゆる視覚経験とは違うらしい。たとえばGY氏はその感覚について「黒い影が黒い背景上を動いている感じ」と表現する(ただし、この表現はあくまで比喩であることを強調している)。Weiskrantzはこのような盲視をtypeII盲視と呼んで、このような意識経験を全く持たないtype I 盲視と区別している<ref name=ref4></ref>。
 盲視の被験者は視覚刺激に対してまったく意識経験がないわけではないらしい。たとえば有名な盲視被験者のGY氏は、視覚刺激の強度が高いときにはしばしば「何かある感じ」がすると報告する<ref name=ref8><pubmed> 9549486 </pubmed></ref>。しかしそれはいわゆる視覚経験とは違うらしい。たとえばGY氏はその感覚について「黒い影が黒い背景上を動いている感じ」と表現する(ただし、この表現はあくまで比喩であることを強調している)。Weiskrantzはこのような盲視をtype II 盲視と呼んで、このような意識経験を全く持たないtype I 盲視と区別している<ref name=ref4></ref>。


 いっぽうで[[Zeki]]はこのような感覚は視覚経験の一種であり、[[Riddoch症候群]]として捉えるべきであると主張している<ref name=ref8></ref>。[[Riddoch現象]]とは、V1を損傷した患者で、静止した物体はまったく見えないのに対して、動いているものに関しては感知できる現象のことを指す<ref>'''G. Riddoch'''<br>Dissociation of visual perceptions due to occipital injuries, with especial reference to appreciation of movement<br>''Brain'': 1917; 40: 15–57</ref>。
 いっぽうで[[Zeki]]はこのような感覚は視覚経験の一種であり、[[Riddoch症候群]]として捉えるべきであると主張している<ref name=ref8></ref>。[[Riddoch現象]]とは、V1を損傷した患者で、静止した物体はまったく見えないのに対して、動いているものに関しては感知できる現象のことを指す<ref>'''G. Riddoch'''<br>Dissociation of visual perceptions due to occipital injuries, with especial reference to appreciation of movement<br>''Brain'': 1917; 40: 15–57</ref>。

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