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細 (→行動研究) |
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顔表情認知は対人コミュニケーションにおいて重要な役割を果たす。Mehrabian (1972)は、表情や声のトーンやメッセージの内容を変えて、聞き手が受ける好意度を調べた<ref>'''Albert Mehrabian'''<br>Nonverbal communication. <br>Nebraska symposium on motivation, 1971: Vol. 19. (pp. 107-161).<br>In J.K. Cole (Ed.), Lincoln, NE: University of Nebraska Press</ref>。その結果、メッセージの内容と声のトーンが与えた影響はそれぞれ7%と38%であったのに比べ、表情が与えた影響は55%と大きいものであったことを報告している。 | 顔表情認知は対人コミュニケーションにおいて重要な役割を果たす。Mehrabian (1972)は、表情や声のトーンやメッセージの内容を変えて、聞き手が受ける好意度を調べた<ref>'''Albert Mehrabian'''<br>Nonverbal communication. <br>Nebraska symposium on motivation, 1971: Vol. 19. (pp. 107-161).<br>In J.K. Cole (Ed.), Lincoln, NE: University of Nebraska Press</ref>。その結果、メッセージの内容と声のトーンが与えた影響はそれぞれ7%と38%であったのに比べ、表情が与えた影響は55%と大きいものであったことを報告している。 | ||
顔表情に示される基本情動(例えば恐怖や幸福)は的確に認識され、これは文化を超えて[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]に普遍的な信号であることが示されている。例えば、Ekman & Friesen (1971)は、[[wikipedia:ja:西洋人|西洋人]]との接触が少ない[[wikipedia:ja: | 顔表情に示される基本情動(例えば恐怖や幸福)は的確に認識され、これは文化を超えて[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]に普遍的な信号であることが示されている。例えば、Ekman & Friesen (1971)は、[[wikipedia:ja:西洋人|西洋人]]との接触が少ない[[wikipedia:ja:パプアニューギニア|パプアニューギニア人]]を対象に、西洋人の表情写真に対する認識成績を調べた。その結果、ほとんどの表情を偶然より高いレベルで認識した<ref><pubmed>5542557</pubmed></ref>。 | ||
顔表情認知においては、情動の認識に加えて、様々な処理が遂行される。例えば、表情を見たとき、注意が引きつけられ<ref><pubmed>3397866</pubmed></ref>、主観的および身体的な情動反応が喚起され<ref>'''Björn H.Johnsen, Julian F. Thayer, Kenneth Hugdahl'''<br>Affective judgment of the Ekman faces: A dimensional approach. <br>''J Psychophysiol'', 1995, 9; 193-202.</ref>、表情模倣が起こる<ref><pubmed>16780824</pubmed></ref>ことが示されている。 | 顔表情認知においては、情動の認識に加えて、様々な処理が遂行される。例えば、表情を見たとき、注意が引きつけられ<ref><pubmed>3397866</pubmed></ref>、主観的および身体的な情動反応が喚起され<ref>'''Björn H.Johnsen, Julian F. Thayer, Kenneth Hugdahl'''<br>Affective judgment of the Ekman faces: A dimensional approach. <br>''J Psychophysiol'', 1995, 9; 193-202.</ref>、表情模倣が起こる<ref><pubmed>16780824</pubmed></ref>ことが示されている。 | ||
また、顔表情認知は、すばやく、意識下の段階で遂行されることが示されている。例えば、Murphy & Zajonc (1993)は、怒りあるいは幸福の表情を意識的には見えないように短時間だけ呈示し、直後に無関係な図形を呈示してこれに対する好意度評定を求めた<ref><pubmed>8505704</pubmed></ref>。その結果、直前に怒り表情が呈示されていた場合には図形に対する好意度評定が低下するといった影響を示している。 | また、顔表情認知は、すばやく、意識下の段階で遂行されることが示されている。例えば、Murphy & Zajonc (1993)は、怒りあるいは幸福の表情を意識的には見えないように短時間だけ呈示し、直後に無関係な図形を呈示してこれに対する好意度評定を求めた<ref><pubmed>8505704</pubmed></ref>。その結果、直前に怒り表情が呈示されていた場合には図形に対する好意度評定が低下するといった影響を示している。 | ||
==関与する脳部位 == | ==関与する脳部位 == |