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一方、GABA作動性の介在神経細胞は新皮質になる領域(pallium)の外側にあるsubpallium、特にmedial ganglionic eminence (MGE)で産生され、接線方向に移動して(tangential migration、水平移動)、新皮質領域に到達する(ヒトではGABA作動性神経細胞の一部は脳室帯由来とされている)。水平移動は主として辺縁帯、中間帯、脳室下帯で起こり、その後、斜行、あるいは法線方向に移動して皮質板に進入する。マウスにおいて、新皮質領域まで到達したGAD65陽性細胞のうち皮質板に存在するものの割合は E14.5では数%であるが、E18.5には40%程度まで増える<ref><pubmed>18272682</pubmed></ref>。最近、GABA作動性介在神経細胞のサブタイプであるシャンデリア細胞(chandelier cells)が側脳室のventral germinal zoneに存在するNkx2.1陽性細胞から由来することが明らかになった<ref><pubmed>23180771</pubmed></ref>。介在神経細胞の皮質板内の層分布はその産生された領域と時期に依存する<ref><pubmed>20732898</pubmed></ref>。また、介在神経細胞のradial migrationはReelinのシグナルには依存しないことが分かっている<ref><pubmed>16807322</pubmed></ref>。第V層の神経細胞の分化と軸索投射のマスター遺伝子の一つと考えられているFezf2のノックアウトマウスでは、脳室帯由来の神経細胞の層構造は正常である<ref><pubmed>16284245</pubmed></ref><ref><pubmed>16157277</pubmed></ref>が、somatostatin陽性およびparvarbumin陽性の介在神経細胞が第V層で特異的に減少していた<ref><pubmed>21338885</pubmed></ref>。このことから、すでに形成された興奮性神経細胞の層構造に依存して介在神経細胞の層分布が決定される可能性が指摘されている。 | 一方、GABA作動性の介在神経細胞は新皮質になる領域(pallium)の外側にあるsubpallium、特にmedial ganglionic eminence (MGE)で産生され、接線方向に移動して(tangential migration、水平移動)、新皮質領域に到達する(ヒトではGABA作動性神経細胞の一部は脳室帯由来とされている)。水平移動は主として辺縁帯、中間帯、脳室下帯で起こり、その後、斜行、あるいは法線方向に移動して皮質板に進入する。マウスにおいて、新皮質領域まで到達したGAD65陽性細胞のうち皮質板に存在するものの割合は E14.5では数%であるが、E18.5には40%程度まで増える<ref><pubmed>18272682</pubmed></ref>。最近、GABA作動性介在神経細胞のサブタイプであるシャンデリア細胞(chandelier cells)が側脳室のventral germinal zoneに存在するNkx2.1陽性細胞から由来することが明らかになった<ref><pubmed>23180771</pubmed></ref>。介在神経細胞の皮質板内の層分布はその産生された領域と時期に依存する<ref><pubmed>20732898</pubmed></ref>。また、介在神経細胞のradial migrationはReelinのシグナルには依存しないことが分かっている<ref><pubmed>16807322</pubmed></ref>。第V層の神経細胞の分化と軸索投射のマスター遺伝子の一つと考えられているFezf2のノックアウトマウスでは、脳室帯由来の神経細胞の層構造は正常である<ref><pubmed>16284245</pubmed></ref><ref><pubmed>16157277</pubmed></ref>が、somatostatin陽性およびparvarbumin陽性の介在神経細胞が第V層で特異的に減少していた<ref><pubmed>21338885</pubmed></ref>。このことから、すでに形成された興奮性神経細胞の層構造に依存して介在神経細胞の層分布が決定される可能性が指摘されている。 | ||
<br> == 参考文献 == | <br> | ||
== 参考文献 == | |||
<references/> | <references/> | ||
<br>(執筆者:岡雄一郎、佐藤真、担当編集者:大隅典子)<br> | <br>(執筆者:岡雄一郎、佐藤真、担当編集者:大隅典子)<br> |
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