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=== 発現 === | === 発現 === | ||
ClC-2は神経系では広く神経、[[グリア]]ともに、また胎生期、生後ともに、その発現が認められる。ClC- | ClC-2は神経系では広く神経、[[グリア]]ともに、また胎生期、生後ともに、その発現が認められる。ClC-3、-4、-6、-7も神経系に広く発現しているが、そのほとんどが細胞内小胞膜上([[エンドソーム]]、[[リソソーム]]等)に分布している。 | ||
=== 機能 === | === 機能 === | ||
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ClC-2は膜電位の過分極や細胞外pHの減少等で活性化される内向き[[wikipedia:ja:整流|整流]]性塩素チャネルである。多くの成熟した神経細胞のように細胞内Cl–濃度が低い(<10 mM)場合は、[[抑制性シナプス]]入力等で誘起される膜電位過分極の維持を通じて、神経細胞の興奮性の抑制に寄与しうる。 | ClC-2は膜電位の過分極や細胞外pHの減少等で活性化される内向き[[wikipedia:ja:整流|整流]]性塩素チャネルである。多くの成熟した神経細胞のように細胞内Cl–濃度が低い(<10 mM)場合は、[[抑制性シナプス]]入力等で誘起される膜電位過分極の維持を通じて、神経細胞の興奮性の抑制に寄与しうる。 | ||
また、ClC-2 [[KOマウス]]では中枢神経系の白質変性([[髄鞘]]内に多数の液胞形成)が起こることが報告されており、そのことから[[ClC-2チャネル]]が、他の[[K+チャネル]]とともに、細胞間隙中の細胞外イオン濃度の恒常性維持に関わっている可能性が示唆されている。ClC-2は細胞膨張により活性化しうることも知られているが、その後の細胞容積の復元への役割は、同時に活性化されるVSORに比して小さいことがClC-2 KOマウスで示されている。(なお、かつてヒトClC-2の遺伝子(CLCN2)異常は[[特発性全般性てんかん]]の原因となりうることが報告されたが、そのClC-2変異体の機能解析の結果、現在その報告に対しては否定的な見解が占める。) | また、ClC-2 [[KOマウス]]では中枢神経系の白質変性([[髄鞘]]内に多数の液胞形成)が起こることが報告されており、そのことから[[ClC-2チャネル]]が、他の[[K+チャネル|K<sup>+</sup>チャネル]]とともに、細胞間隙中の細胞外イオン濃度の恒常性維持に関わっている可能性が示唆されている。ClC-2は細胞膨張により活性化しうることも知られているが、その後の細胞容積の復元への役割は、同時に活性化されるVSORに比して小さいことがClC-2 KOマウスで示されている。(なお、かつてヒトClC-2の遺伝子(CLCN2)異常は[[特発性全般性てんかん]]の原因となりうることが報告されたが、そのClC-2変異体の機能解析の結果、現在その報告に対しては否定的な見解が占める。) | ||
==== ClC- | ==== ClC-3、-4、-6、-7 ==== | ||
ClC-4についてはCl<sup>-</sup>/H<sup>+</sup>交換輸送の機能を有することが発現系にて確認されている。その他のClC- | ClC-4についてはCl<sup>-</sup>/H<sup>+</sup>交換輸送の機能を有することが発現系にて確認されている。その他のClC-3、-6、-7については未だ交換輸送の機能は確定していないが、いずれも主に細胞内小胞膜上に分布していること、そして結晶構造の解かれているバクテリアのClCタンパク質がCl<sup>-</sup>/H<sup>+</sup>交換輸送体であり、その機能に特徴的なアミノ酸配列をClC-3、-4、-6、-7のいずれもが共通に持つことから、いずれもCl<sup>-</sup>/H<sup>+</sup>交換輸送の機能を有すると考えられている。交換輸送の割合はCl<sup>-</sup>:H<sup>+</sup> = 2:1と考えられ、小胞内の酸性化促進(小胞性[[H+ポンプ|H<sup>+</sup>ポンプ]]の駆動により生ずる電荷移動のCl<sup>-</sup>による中和を通じて)に寄与すると考えられている。 | ||
ClC-3と-4については、過剰発現により一部細胞膜に発現した際の電流が観測されており、急峻な外向き整流性(高い脱分極でのみ活性化)が確認されている。 | ClC-3と-4については、過剰発現により一部細胞膜に発現した際の電流が観測されており、急峻な外向き整流性(高い脱分極でのみ活性化)が確認されている。 |