「前後軸」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
253 バイト除去 、 2013年3月26日 (火)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
37行目: 37行目:
== 神経板の後方化 ==
== 神経板の後方化 ==
[[file:masanoritakahashi_fig2.jpg|thumb|250px|'''図2. Hox遺伝子と前後軸'''<br>(A) 菱脳の分節構造(ロンボメア)ラット胎齢10.75日胚の切片(DAPI染色)<br>(B) Hox遺伝子の発現境界と分節境界との関係]]
[[file:masanoritakahashi_fig2.jpg|thumb|250px|'''図2. Hox遺伝子と前後軸'''<br>(A) 菱脳の分節構造(ロンボメア)ラット胎齢10.75日胚の切片(DAPI染色)<br>(B) Hox遺伝子の発現境界と分節境界との関係]]
 ニワトリ胚やマウス胚において、両生類胚の尾部オーガナイザーに相当する領域は、原始線条の先端部から時期を追って形成される[[結節]]([[ノード]] [[node]])と呼ばれる領域である。


 原始線条や結節には[[線維芽細胞増殖因子]]8([[fibroblast growth factor 8]]: [[FGF8]]) が発現している。ニワトリ初期神経板前方領域の組織片にFGF8を添加し、しばらく培養すると、FGF8の濃度依存的に中脳や[[菱脳]]前方領域の性質が誘導される<ref name=ref6><pubmed>12006981</pubmed></ref>。このような脳の領域は、前後軸に沿って発現する[[転写制御因子]]の発現を指標にすることで区別可能である。例えば、前脳では[[Pax6]]、中脳では[[Engrailed 1]]/[[Engrailed 2|2]] ([[En1]]/[[En2|2]])、菱脳では[[Krox20]]、菱脳・脊髄では各種[[Hox遺伝子群|ホックス(Hox) 遺伝子]]が発現する(図1)。このような一連の実験から、初期神経板には前後軸に沿ってFGF8の濃度勾配が形成され、FGF8は神経板の後方化シグナル分子として機能することが明らかとなった。
 原始線条や結節には[[線維芽細胞増殖因子]]8([[fibroblast growth factor 8]]: [[FGF8]]) が発現している。ニワトリ初期神経板前方領域の組織片にFGF8を添加し、しばらく培養すると、FGF8の濃度依存的に中脳や[[菱脳]]前方領域の性質が誘導される<ref name=ref6><pubmed>12006981</pubmed></ref>。このような脳の領域は、前後軸に沿って発現する[[転写制御因子]]の発現を指標にすることで区別可能である。例えば、前脳では[[Pax6]]、中脳では[[Engrailed 1]]/[[Engrailed 2|2]] ([[En1]]/[[En2|2]])、菱脳では[[Krox20]]、菱脳・脊髄では各種[[Hox遺伝子群|ホックス(Hox) 遺伝子]]が発現する(図1)。このような一連の実験から、初期神経板には前後軸に沿ってFGF8の濃度勾配が形成され、FGF8は神経板の後方化シグナル分子として機能することが明らかとなった。

案内メニュー