「ネプリライシン」の版間の差分

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*7 がんとの関連 <br>  
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*7 関連項目 <br>  
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*8 参考文献  
*8 参考文献


 
<br> '''1 ネプリライシンとは''' <br>  
'''1 ネプリライシンとは''' <br>  


 ネプリライシンは活性部位が存在するカルボキシル末端側は管腔側/細胞外に配向するⅡ型の膜貫通型ペプチダーゼである。活性中心にZn結合モチ−フ(HEXXH配列)を有することから、メタロペプチダ−ゼに分類される<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />。別名として、エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11、CD10、membrane metallo-endopeptidase、common acute lymphoblastic leukemia antigen (CALLA)とも呼ばれている。プロテアーゼのM13ファミリーのMA(E)クランに分類される。脊椎動物に広く分類し、バクテリア由来のサーモライシンと高い相同性を示す<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />。  
 ネプリライシンは活性部位が存在するカルボキシル末端側は管腔側/細胞外に配向するⅡ型の膜貫通型ペプチダーゼである。活性中心にZn結合モチ−フ(HEXXH配列)を有することから、メタロペプチダ−ゼに分類される<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />。別名として、エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11、CD10、membrane metallo-endopeptidase、common acute lymphoblastic leukemia antigen (CALLA)とも呼ばれている。プロテアーゼのM13ファミリーのMA(E)クランに分類される。脊椎動物に広く分類し、バクテリア由来のサーモライシンと高い相同性を示す<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />。  
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 別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、白血病小児の特定のリンパ球の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている。また、血液系以外にも、前立腺、子宮内膜、腎臓および肺などのがんの進行にも関与している。特に注目されているのは前立腺がんで、ネプリライシンの発現レベルの低下により、ボンベシンなどの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通してアンドロゲン非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、''in vitro''で前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。  
 別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、白血病小児の特定のリンパ球の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている。また、血液系以外にも、前立腺、子宮内膜、腎臓および肺などのがんの進行にも関与している。特に注目されているのは前立腺がんで、ネプリライシンの発現レベルの低下により、ボンベシンなどの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通してアンドロゲン非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、''in vitro''で前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。  


<br> '''8 関連項目''' <references />
<br> '''8 関連項目'''  


*神経ペプチド  
*神経ペプチド  
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*トランスジェニックマウス
*トランスジェニックマウス


<br> '''9 参考文献''' <references />  
<br> '''9 参考文献'''  
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[[脚注1]]エンドトキシ(内毒素):グラム陰性菌の外膜に存在する耐熱性の毒素.糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で,免疫系などに作用してマクロファージや好中球を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す.  
[[脚注1]]エンドトキシ(内毒素):グラム陰性菌の外膜に存在する耐熱性の毒素.糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で,免疫系などに作用してマクロファージや好中球を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す.  


 
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[[脚注2]]Braak stage:アルツハイマー病病理の進行度を示す尺度の一つで,神経原線維変化の進行ステージ.最初に移行嗅内皮質から病変が出現し,辺縁系,新皮質へと広がる.Ⅰ:移行嗅内皮質,Ⅱ:嗅内皮質に進展,Ⅲ: 海馬に進展,Ⅳ: 海馬に多量に出現+新皮質に進展,V:新皮質連合野に多数出現,Ⅵ: 新皮質一次野に多数出現の6段階に分けられる.Ⅰ~Ⅱ:移行嗅内皮質ステージ,Ⅲ~Ⅳ:辺縁系ステージ,V~Ⅵ:新皮質ステージに大別され,各々,認知機能正常,軽度認知障害,認知症に対応する.Braak H, Braak E: Neuropathological stageing of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol. 82: 239-259, 1991.  
[[脚注2]]Braak stage:アルツハイマー病病理の進行度を示す尺度の一つで,神経原線維変化の進行ステージ.最初に移行嗅内皮質から病変が出現し,辺縁系,新皮質へと広がる.Ⅰ:移行嗅内皮質,Ⅱ:嗅内皮質に進展,Ⅲ: 海馬に進展,Ⅳ: 海馬に多量に出現+新皮質に進展,V:新皮質連合野に多数出現,Ⅵ: 新皮質一次野に多数出現の6段階に分けられる.Ⅰ~Ⅱ:移行嗅内皮質ステージ,Ⅲ~Ⅳ:辺縁系ステージ,V~Ⅵ:新皮質ステージに大別され,各々,認知機能正常,軽度認知障害,認知症に対応する.Braak H, Braak E: Neuropathological stageing of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol. 82: 239-259, 1991.  


(執筆者:岩田修永、城谷圭朗、浅井将司、担当編集委員:尾藤晴彦)
(執筆者:岩田修永、城谷圭朗、浅井将、担当編集委員:尾藤晴彦)
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