「プロテアソーム」の版間の差分

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 CPはαリングとβリング(各々7種のサブユニットから構成)がαββαの順で会合した分子量75万の円筒型粒子である。本酵素はカスパーゼ型(β1)、トリプシン型(β2),キモトリプシン型(β5)の触媒活性を有しており、これらの活性中心はβリングの内表面に露出している。CPは、通常、αリングが閉じているため細胞内では不活性型として存在している。
 CPはαリングとβリング(各々7種のサブユニットから構成)がαββαの順で会合した分子量75万の円筒型粒子である。本酵素はカスパーゼ型(β1)、トリプシン型(β2),キモトリプシン型(β5)の触媒活性を有しており、これらの活性中心はβリングの内表面に露出している。CPは、通常、αリングが閉じているため細胞内では不活性型として存在している。


==Regulatory particle==
===Regulatory particle===


 RP(別称:PA700)はlid(蓋部)とbase(基底部)から構成されており,lid複合体とbase複合体は、夫々10個と9個のサブユニットから構成されている。ごく最近、二つのユビキチンリセプターRpn10とRpn13は分子表面の離れた位置に存在してユビキチン化タンパク質を補足していることが判明した<ref name=ref11><pubmed>22215586</pubmed></ref>。RPにはポリユビキチン鎖を根本から切断して解離するRpn11とそれ以外に末端からユビキチンを1個ずつ解離させる酵素USP14(酵母のUbp6)とUch37(酵母には存在しない)の3つのDUBが存在する。ごく最近、lidサブユニット群の位置情報がCryo-EMよる解析から明らかにされた<ref name=ref12><pubmed>22237024</pubmed></ref>。またbaseは6種のAAA型ATPaseサブユニット(Rpt1〜Rpt6)を含んでおり、この冠(Crown)型構造のATPaseリングは,CPのαリングと結合してその中央部のゲートを開き,基質タンパク質の通過を可能にさせる機能を有している他、ATPの加水分解エネルギーを利用してタンパク質の3次元構造を破壊(アンフォールディング)し,変性した基質がαリングを通ってβリングの内部に到達できるようにするアンチシャペロン作用を持っている<ref name=ref13><pubmed>19489727</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>17889660</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>21335235</pubmed></ref>。このプロテアソームの作動機構を図3に模式化して示した。
 Regulatory particle (RP)(別称:PA700)はlid(蓋部)とbase(基底部)から構成されており,lid複合体とbase複合体は、夫々10個と9個のサブユニットから構成されている。ごく最近、二つのユビキチンリセプターRpn10とRpn13は分子表面の離れた位置に存在してユビキチン化タンパク質を補足していることが判明した<ref name=ref11><pubmed>22215586</pubmed></ref>。RPにはポリユビキチン鎖を根本から切断して解離するRpn11とそれ以外に末端からユビキチンを1個ずつ解離させる酵素USP14(酵母のUbp6)とUch37(酵母には存在しない)の3つのDUBが存在する。
 
 ごく最近、lidサブユニット群の位置情報がCryo-EMよる解析から明らかにされた<ref name=ref12><pubmed>22237024</pubmed></ref>。またbaseは6種のAAA型ATPaseサブユニット(Rpt1〜Rpt6)を含んでおり、この冠(Crown)型構造のATPaseリングは,CPのαリングと結合してその中央部のゲートを開き,基質タンパク質の通過を可能にさせる機能を有している他、ATPの加水分解エネルギーを利用してタンパク質の3次元構造を破壊(アンフォールディング)し,変性した基質がαリングを通ってβリングの内部に到達できるようにするアンチシャペロン作用を持っている<ref name=ref13><pubmed>19489727</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>17889660</pubmed></ref> <ref name=ref15><pubmed>21335235</pubmed></ref>(図3)。


==PA28==
==PA28==

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