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[[image:プロテオソーム4.jpg|thumb|350px|'''図4.26Sプロテアソームの分子集合機構パスウエイ'''<br>詳細は本文及び文献<ref name=ref25><pubmed>22350895</pubmed></ref>参照。]] | [[image:プロテオソーム4.jpg|thumb|350px|'''図4.26Sプロテアソームの分子集合機構パスウエイ'''<br>詳細は本文及び文献<ref name=ref25><pubmed>22350895</pubmed></ref>参照。]] | ||
1983年、われわれはユビキチン化タンパク質の分解にATPのエネルギーが必要であることを見出し、同じくエネルギーを必要とするユビキチン間のステップに加え、“エネルギー依存性タンパク質分解機構の2段階説”を発表した<ref name=ref6><pubmed>6304111</pubmed></ref>。後に、このATP要求性のタンパク質分解反応を触媒する酵素が、真核生物のATP依存性プロテアーゼであることが判明し、1988年、Proteasome(protease活性を有した巨大粒子〜some)と命名した(厳密には20Sプロテアソームの発見に対する命名:後述)。 | |||
その後の研究から、このユビキチン化タンパク質を分解する巨大で複雑なタンパク質分解装置は、真核生物のATP依存性プロテアーゼ(26Sプロテアソーム)であり、触媒粒子であるcore particle(CP、別名20Sプロテアソーム)の両端に調節粒子であるregulatory particle (19S RP)が会合した分子量250万、総サブユニット数66個から構成された多成分複合体であることが判明した(図2)<ref name=ref7><pubmed>8811196</pubmed></ref> <ref name=ref8><pubmed>9476896</pubmed></ref> <ref name=ref9><pubmed>19145068</pubmed></ref>。原子レベルでの構造は不明であり、現在、Cryo-electron microscopy(Cryo-EM:極低温電子顕微鏡)による単粒子解析が進行中である<ref name=ref10><pubmed>21098295</pubmed></ref>。 | |||
また20Sプロテアソームが上記の活性化因子の介在なしに単独で、天然変成タンパク質や酸化修飾タンパク質を直接分解することも報告されている<ref name=ref20><pubmed>18636510</pubmed></ref> <ref name=ref21><pubmed>20498273</pubmed></ref>。このようにプロテアソームの作動機構は、複雑かつ多様である。 | |||
===Core particle=== | ===Core particle=== |