「固視」の版間の差分

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16 バイト追加 、 2013年5月10日 (金)
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== 神経機構 ==
== 神経機構 ==


 固視に関与する脳部位としては、上丘吻側部のfixation zone がよく知られている。固視に一致したニューロン活動がみられ、下流のサッケード生成回路を抑制する。前頭葉の前頭眼野にもfixation zone に相当する領域があり、サッケードの発現を抑制すると考えられている。固視が維持されるためには、眼球位置の指令信号を生み出す神経積分器の働きが重要である。神経積分器は狭義には脳幹の神経機構であるが、その正常な動作には小脳が必要である。
 固視に関与する脳部位としては、上丘吻側部のfixation zone がよく知られている。固視に一致したニューロン活動がみられ、下流のサッケード生成回路を抑制する。[[前頭葉]]の前頭眼野にもfixation zone に相当する領域があり、サッケードの発現を抑制すると考えられている。固視が維持されるためには、眼球位置の指令信号を生み出す神経積分器の働きが重要である。神経積分器は狭義には脳幹の神経機構であるが、その正常な動作には小脳が必要である。


== 追跡眼球運動との関係 ==
== 追跡眼球運動との関係 ==


 固視は、追跡眼球運動 smooth pursuit eye movement の特殊なケース(つまり速度ゼロの smooth pursuit)とみなせるだろうか。それとも追跡眼球運動とは別に、独立したfixation system が存在するのだろうか。この問題は長年議論されているが、未だ結論が出ていない。
 固視は、[[追跡眼球運動]] smooth pursuit eye movement の特殊なケース(つまり速度ゼロの smooth pursuit)とみなせるだろうか。それとも[[追跡眼球運動]]とは別に、独立したfixation system が存在するのだろうか。この問題は長年議論されているが、未だ結論が出ていない。


== マイクロサッケード ==
== マイクロサッケード ==


 鮮明な視覚のためには対象の像が網膜上でほぼ静止することが必要であると述べたが、実際は固視中も0.1-0.3° 程度のサッケードが生じている。これは順応による視力低下を防ぐためと考えられている。針に糸を通す時のように一点をじっと見ること (steady fixation) が要求される条件ではマイクロサッケードが抑制される。
 鮮明な視覚のためには対象の像が網膜上でほぼ静止することが必要であると述べたが、実際は固視中も0.1-0.3° 程度のサッケードが生じている。これは順応による視力低下を防ぐためと考えられている。針に糸を通す時のように一点をじっと見ること (steady fixation) が要求される条件では[[マイクロサッケード]]が抑制される。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

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