「器質性精神障害」の版間の差分

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== 歴史的分類 ==
== 歴史的分類 ==


 [[wikipedia:Emil Kraepelin|Kraepelin E.]]はその教科書の中で、精神疾患が当時の状況では(現状でもそうかもしれないが)原因論的に分類することが難しいこと、[[wikipedia:Carl Wernicke|Wernicke C.]]による[[脳局在論的疾患分類]]への言及を行い、自身の分類とは異なるものが十分あり得ることを認めた上で、精神疾患の分類の試案として
 [[wikipedia:Emil Kraepelin|Kraepelin E.]]はその教科書の中で、精神疾患が当時の状況では(現状でもそうかもしれないが)原因論的に分類することが難しいこと、[[wikipedia:Carl Wernicke|Wernicke C.]]による[[脳局在論的疾患分類]]への言及を行い、自身の分類とは異なるものが十分あり得ることを認めた上で、精神疾患の分類の試案として表1を挙げており、これらのうち、1から8までは器質性および症状精神病、中毒性精神病を含む外因性精神病に分類される。


{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
|+表1. '''Kraepelinによる精神疾患の分類の試案'''
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| 1. 脳外傷の際の精神病 
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1. 脳外傷の際の精神病<br>
| 2. 脳病の際の精神病
2. 脳病の際の精神病<br>
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3. [[wikipedia:ja:中毒|中毒]](急性・慢性 ここにはいくつかの代謝性物質によるものが含まれる)<br>
| 3. [[wikipedia:ja:中毒|中毒]](急性・慢性 ここにはいくつかの代謝性物質によるものが含まれる) 
4. [[wikipedia:ja:伝染病|伝染病]]性精神病<br>
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5. [[wikipedia:ja:梅毒|梅毒]]性精神病<br>
| 4. [[wikipedia:ja:伝染病|伝染病]]性精神病 
6. [[進行性麻痺]]<br>
|-
7. 老年性、初老性精神病 <br>
| 5. [[wikipedia:ja:梅毒|梅毒]]性精神病 
8. [[wikipedia:ja:甲状腺|甲状腺]]性精神病 <br>
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9. 内因性鈍化([[早発性痴呆]] [[パラフレニー]]) <br>
| 6. [[進行性麻痺]] 
10. [[てんかん性精神病]] <br>
|-
11. [[躁鬱病]] <br>
| 7. 老年性、初老性精神病 
12. [[心因性疾患]] <br>
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13. [[ヒステリー]] <br>
| 8. [[wikipedia:ja:甲状腺|甲状腺]]性精神病 
14. [[パラノイア]] <br>
|-
15. 生来性疾病諸状態([[神経質]]・[[強迫神経症]]など) <br>
| 9. 内因性鈍化([[早発性痴呆]] [[パラフレニー]]) 
16. 精神病質人格 <br>
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17. 全般精神発育抑制<br>
| 10. [[てんかん性精神病]] 
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| 11. [[躁鬱病]] 
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| 12. [[心因性疾患]] 
|-
| 13. [[ヒステリー]] 
|-
| 14. [[パラノイア]] 
|-
| 15. 生来性疾病諸状態([[神経質]]・[[強迫神経症]]など) 
|-
| 16. 精神病質人格 
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| 17. 全般精神発育抑制
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|}
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を挙げており、これらのうち、1から8までは器質性および症状精神病、中毒性精神病を含む外因性精神病に分類される。


 一方でWernicke C.の弟子である[[wikipedia:Karl Bonhoeffer|Bonhoeffer K.]]は主にアルコール性精神病の症例観察から、原因は同じでも別の病態([[振戦せん妄]]や[[コルサコフ精神病]])が生じる場合ことがあることに注目し、「原因性中間節」という中間段階の代謝性物質を想定し、外因性症候群、特に急性外因反応型についての記載を行った。この分類では、せん妄・[[もうろう状態]]・[[幻覚]]症・てんかん性運動興奮・[[アメンチア]]がこのタイプに含まれるとされた。
 一方でWernicke C.の弟子である[[wikipedia:Karl Bonhoeffer|Bonhoeffer K.]]は主にアルコール性精神病の症例観察から、原因は同じでも別の病態([[振戦せん妄]]や[[コルサコフ精神病]])が生じる場合ことがあることに注目し、「原因性中間節」という中間段階の代謝性物質を想定し、外因性症候群、特に急性外因反応型についての記載を行った。この分類では、せん妄・[[もうろう状態]]・[[幻覚]]症・てんかん性運動興奮・[[アメンチア]]がこのタイプに含まれるとされた。

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