「器質性精神障害」の版間の差分
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== 器質性精神障害とは== | == 器質性精神障害とは== | ||
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|rowspan=10|F06 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害||F06.0 器質性幻覚症 | |rowspan=10|F06 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害||F06.0 器質性幻覚症 | ||
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|F06. | |F06.1 器質性緊張病性障害 | ||
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|F06. | |F06.2 器質性妄想性[統合失調症様]障害 | ||
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|F06. | |F06.3 器質性気分[感情]障害 | ||
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|F06. | |F06.4 器質性不安障害 | ||
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|F06. | |F06.5 器質性解離性障害 | ||
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|F06. | |F06.6 器質性情緒不安定性[無力性]障害 | ||
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|F06. | |F06.7 軽症認知障害 | ||
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|F06.8 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の明示された精神障害 | |F06.8 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の明示された精神障害 | ||
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|F06.9 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患による詳細不明の精神障害 | |F06.9 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患による詳細不明の精神障害 | ||
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|rowspan=5|F07 脳の疾患,損傷及び機能不全による人格及び行動の障害||F07. | |rowspan=5|F07 脳の疾患,損傷及び機能不全による人格及び行動の障害||F07.0 器質性人格障害 | ||
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|F07.1 [[脳炎]]後症候群 | |F07.1 [[脳炎]]後症候群 | ||
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内因性精神病の症候学的検討の歴史が長いため、これらの概念を援用して器質性精神障害についても分類が行われているわけではあるが、論理的にはおかしな状況と言わざるをえないだろう。 | 内因性精神病の症候学的検討の歴史が長いため、これらの概念を援用して器質性精神障害についても分類が行われているわけではあるが、論理的にはおかしな状況と言わざるをえないだろう。 | ||
====高次脳機能障害==== | |||
一方、行政用語としては、「[[高次脳機能障害]]」という用語が平成13年から17年度に行われた高次脳機能障害支援モデル事業において策定され、「頭部外傷、脳血管障害などによる脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。」と定められている。これは行政用語であるので、病名とは言えないものであるが、概念としては器質性精神障害の一部を含むものとなっている。 | |||
==特徴 == | ==特徴 == | ||
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あらゆる脳疾患が器質性精神障害の原因となりうるが、現代社会で大きな問題となっている一例として、交通外傷による脳損傷がある。外傷性脳損傷は大きく、局所脳損傷と[[びまん性軸索損傷]]に分類することができる。 | あらゆる脳疾患が器質性精神障害の原因となりうるが、現代社会で大きな問題となっている一例として、交通外傷による脳損傷がある。外傷性脳損傷は大きく、局所脳損傷と[[びまん性軸索損傷]]に分類することができる。 | ||
局所脳損傷では、直達外力、あるいはコントラ・クー(正確に)により、頭蓋骨に接した脳領域に挫傷が生じる。多くの場合、[[wikipedia:ja:頭蓋骨|頭蓋骨]]の底面の構造的特徴のため、前頭葉眼窩面、[[側頭極|側頭葉]]を中心とした脳部位に挫傷が生じる。 | |||
一方で、びまん性軸索損傷は、回転によって生じる剪断力のために、[[白質]]の[[軸索]]が損傷をうける。多くの場合、深部白質や[[脳梁]]を中心とした損傷を生じ、損傷後数年の間に、[[脳萎縮]]が進行する。灰白質の萎縮も、主に中心構造に生じるようである。これら外傷性精神障害の二型は、いずれのタイプも特徴的な脳損傷部位を有しており、その意味で、結果として生じる精神障害も症候群としての特徴を有するものであることが想定されている。 | 一方で、びまん性軸索損傷は、回転によって生じる剪断力のために、[[白質]]の[[軸索]]が損傷をうける。多くの場合、深部白質や[[脳梁]]を中心とした損傷を生じ、損傷後数年の間に、[[脳萎縮]]が進行する。灰白質の萎縮も、主に中心構造に生じるようである。これら外傷性精神障害の二型は、いずれのタイプも特徴的な脳損傷部位を有しており、その意味で、結果として生じる精神障害も症候群としての特徴を有するものであることが想定されている。 | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
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4. '''エーミール・クレペリン 西丸四方 遠藤みどり訳'''<br> 精神医学総論<br> ''みすず書房'' 1994年 | 4. '''エーミール・クレペリン 西丸四方 遠藤みどり訳'''<br> 精神医学総論<br> ''みすず書房'' 1994年 | ||
(執筆者:上田敬太、村井俊哉 担当編集者:加藤忠史) | |||