「中枢パターン生成器」の版間の差分

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===ハーフセンター仮説===
===ハーフセンター仮説===
[[image:F2half-centre-model.jpg‎ |thumb|200px|'''図2 歩行運動の際の屈筋と伸筋を例としたハーフセンター仮説'']]イギリスのGraham Brownによって1910年代に提唱されスウェーデンのLundbergによって継承された説で、並列に出力する二つの回路が相互に抑制をすることによってそれぞれがリズミックで交代性のパターンを示すというものである(図2)<ref name=ref2><pubmed> 18582502 </pubmed></ref>。例えば、歩行CPGにおいては、屈筋と伸筋あるいは左右の脚のそれぞれパターンを形成する回路が独立して存在し、相互に抑制することによって、それぞれが交互に活動すると考えられている(図2)。この相互抑制を担うニューロンの有力な候補の一つとして、伸張反射の際に収縮した筋の拮抗筋を支配する運動ニューロンを抑制することが知られているIa抑制性ニューロンがある<ref name=ref16><pubmed>17936363</pubmed></ref>。
[[image:F2half-centre-model.jpg‎ |thumb|200px|'''図2 歩行運動の際の屈筋と伸筋を例としたハーフセンター仮説'']]イギリスのGraham Brownによって1910年代に提唱されスウェーデンのLundbergによって継承された説で、並列に出力する二つの回路が相互に抑制をすることによってそれぞれがリズミックで交代性のパターンを示すというものである(図2)<ref name=ref2><pubmed> 18582502 </pubmed></ref>。例えば、歩行CPGにおいては、屈筋と伸筋あるいは左右の脚のそれぞれパターンを形成する回路が独立して存在し、相互に抑制することによって、それぞれが交互に活動すると考えられている(図2)。この相互抑制を担うニューロンの有力な候補の一つとして、[[伸張反射]]の際に収縮した筋の拮抗筋を支配する運動ニューロンを抑制することが知られているIa抑制性ニューロンがある<ref name=ref16><pubmed>17936363</pubmed></ref>。


===構成ニューロンの性質===
===構成ニューロンの性質===
これまでに同定されたRenshaw細胞やIa抑制性ニューロンといった脊髄介在ニューロンに関してはその性質が詳細に調べられているが、それに加えて、最近、胎生期においてそれぞれのニューロンの前駆細胞が発現する転写因子の組み合わせによってニューロンが分類されている。この分類によって分けられたそれぞれのニューロン群はほぼ共通の神経伝達物質と軸索投射様式を持つことが明らかになっている<ref name=ref17><pubmed>19543221</pubmed></ref>。これまでに、遺伝子改変技術を用いて、これらのニューロン群の形成あるいは機能を阻害したマウスの脊髄歩行中枢の機能解析が行なわれており、これらのニューロン群の歩行運動の時空間パターン形成における役割が明らかになりつつある<ref name=ref18><pubmed>20889331</pubmed></ref> 。
これまでに同定されたレンショウ細胞やIa抑制性ニューロンといった[[脊髄介在ニューロン]]に関してはその性質が詳細に調べられているが、それに加えて、最近、胎生期においてそれぞれのニューロンの[[神経前駆細胞]] が発現する[[転写制御因子]]の組み合わせによってニューロンが分類されている。この分類によって分けられたそれぞれのニューロン群はほぼ共通の神経伝達物質と軸索投射様式を持つことが明らかになっている<ref name=ref17><pubmed>19543221</pubmed></ref>。これまでに、遺伝子改変技術を用いて、これらのニューロン群の形成あるいは機能を阻害したマウスの脊髄歩行中枢の機能解析が行なわれており、これらのニューロン群の歩行運動の時空間パターン形成における役割が明らかになりつつある<ref name=ref18><pubmed>20889331</pubmed></ref> 。
 
 
==魚類の泳動のCPG==
==魚類の泳動のCPG==
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