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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0118097 黒田 公美]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/read0118097 黒田 公美]</font><br> | ||
''独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター''<br> | ''独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年2月24日 原稿完成日:2012年6月13日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/hitoshiokamoto 岡本 仁](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/hitoshiokamoto 岡本 仁](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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=== 母親以外による養育行動 === | === 母親以外による養育行動 === | ||
哺乳類の場合、95%以上の種の父親は直接には仔を養育しないが、母子を含む群れ全体をオスが警護するなどにより、間接的に母子を保護する行動はしばしば見られる。また、一部の[[wikipedia:JA:霊長類|霊長類]]([[ | 哺乳類の場合、95%以上の種の父親は直接には仔を養育しないが、母子を含む群れ全体をオスが警護するなどにより、間接的に母子を保護する行動はしばしば見られる。また、一部の[[wikipedia:JA:霊長類|霊長類]]([[マーモセット]]、[[wikipedia:JA:オマキザル|オマキザル]])や[[wikipedia:JA:齧歯類|齧歯類]]([[wikipedia:JA:ビーバー|ビーバー]]、マウス)、[[wikipedia:JA:食肉類|食肉類]]([[wikipedia:JA:キツネ|キツネ]]・[[wikipedia:JA:タヌキ|タヌキ]])などの種においては、父親も母親同様に哺乳を除く養育を行う。また、年長の同胞や自らの繁殖を終えた高齢のメス個体がヘルパーとして育児に参加する場合もある<ref>'''Hrdy, S. B.'''<br>Mother nature: Maternal instincts and how they shape the human species(邦題『マザーネイチャー:「母親」はいかにヒトを進化させたか』)<br>''Ballantine Books'' , 1999</ref>。 | ||
ラット・マウスでは、未交配のメスを仔と同居させると、はじめは見慣れない仔に拒否的行動をとる場合もあるが、次第に慣れて巣づくりし、仔を巣に集め、保温したりグルーミングしたりするようになる<ref><pubmed> 5611028 </pubmed></ref>。未交配の成体オスは仔を攻撃することが多いが、交配し父親になると仔への攻撃は抑制され養育するようになる<ref><pubmed>7058349</pubmed></ref>。このようなオスの行動は、自身の繁殖を促進するためであると考えられている。(Wikipediaの[[wikipedia:JA: サラ・ブラファー・ハーディ|サラ・ブラファー・ハーディ]]の項目参照) | ラット・マウスでは、未交配のメスを仔と同居させると、はじめは見慣れない仔に拒否的行動をとる場合もあるが、次第に慣れて巣づくりし、仔を巣に集め、保温したりグルーミングしたりするようになる<ref><pubmed> 5611028 </pubmed></ref>。未交配の成体オスは仔を攻撃することが多いが、交配し父親になると仔への攻撃は抑制され養育するようになる<ref><pubmed>7058349</pubmed></ref>。このようなオスの行動は、自身の繁殖を促進するためであると考えられている。(Wikipediaの[[wikipedia:JA: サラ・ブラファー・ハーディ|サラ・ブラファー・ハーディ]]の項目参照) |