「カルシウム」の版間の差分

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英語名: calcium 独:Calcium, Kalzium 仏:calcium
英語名: calcium 独:Calcium, Kalzium 仏:calcium
{{Infobox calcium}}
 カルシウムは原子番号20の金属元素。元素記号はCa。[[wikipedia:ja:周期表|周期表]]第2族[[wikipedia:ja:アルカリ土類|アルカリ土類]]元素の一種で、[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]を含む動物の代表的な[[wikipedia:ja:ミネラル|ミネラル]]([[wikipedia:ja:必須元素|必須元素]])である。[[wikipedia:ja:骨|骨]]や[[wikipedia:ja:歯|歯]]の形成のみならず、[[カルシウムイオン]](Ca<sup>2+</sup>)は細胞内[[シグナル伝達]]を担う代表的な[[セカンドメッセンジャー]]の一つであり、広範な細胞機能の制御に関与している。


 カルシウムは原子番号20の金属元素。元素記号はCa。[[wikipedia:ja:周期表|周期表]]第2族[[wikipedia:ja:アルカリ土類|アルカリ土類]]元素の一種で、[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]を含む動物の代表的な[[wikipedia:ja:ミネラル|ミネラル]]([[wikipedia:ja:必須元素|必須元素]])である。[[wikipedia:ja:骨|骨]]や[[wikipedia:ja:歯|歯]]の形成のみならず、カルシウムイオン(Ca<sup>2+</sup>)は細胞内[[シグナル伝達]]を担う代表的な[[セカンドメッセンジャー]]の一つであり、広範な細胞機能の制御に関与している。
 [[脳神経]]系においても、[[神経伝達物質]]放出、[[シナプス可塑性]]、神経[[細胞死]]のトリガーとなるものであり、また各種[[グリア細胞]]機能の制御に不可欠である。本稿では、このCa<sup>2+</sup>依存性シグナルの基本的性質について解説する。  
 
 脳神経系においても、[[神経伝達物質]]放出、[[シナプス可塑性]]、神経[[細胞死]]のトリガーとなるものであり、また各種[[グリア細胞]]機能の制御に不可欠である。本稿では、このCa<sup>2+</sup>依存性シグナルの基本的性質について解説する。  
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| <div class="thumb tright" style="width:450px;"><youtube>SssUVE1d9bY</youtube></div>
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| '''動画 タイトルを御願い致します'''<br>説明を御願い致します。
| '''動画 培養アストロサイトのカルシウム反応'''<br>カルシウム感受性色素であるFura-2をロードした細胞に30 µMのATPを作用させている。
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==== イノシトール3リン酸受容体  ====
==== イノシトール3リン酸受容体  ====


 [[イノシトール3リン酸受容体]]は、その活性化にセカンドメッセンジャーである[[イノシトール3リン酸]]と細胞質Ca<sup>2+</sup>の両方を必要とする小胞体膜上Ca<sup>2+</sup>チャネルである。特筆すべき点は、細胞質Ca<sup>2+</sup>濃度に対して二相性の反応曲線を示すことである<ref><pubmed>2373998</pubmed></ref>。つまり低Ca<sup>2+</sup>濃度域では濃度上昇に従い開口が促進されるが、ある濃度でそれがピークアウトし、それ以上の濃度域では濃度上昇に従い開口が阻害される。 グリア細胞のような電気的に非興奮性の細胞においては、主要なCa<sup>2+</sup>供給経路となる。また神経細胞においてもCa<sup>2+</sup>シグナルに関与する。 イノシトール3リン酸とCa<sup>2+</sup>の両方を必要とする性質により、二種類の入力を統合する機能を持ち得る。実際、小脳[[プルキンエ細胞]]における[[長期抑圧]]誘導時に、二種類のシナプス入力の[[同期検出]]を担っている<ref><pubmed>11100147</pubmed></ref>。<br>
 [[イノシトール3リン酸受容体]]は、その活性化にセカンドメッセンジャーである[[イノシトール3リン酸]]と細胞質Ca<sup>2+</sup>の両方を必要とする小胞体膜上Ca<sup>2+</sup>チャネルである。特筆すべき点は、細胞質Ca<sup>2+</sup>濃度に対して二相性の反応曲線を示すことである<ref><pubmed>2373998</pubmed></ref>。つまり低Ca<sup>2+</sup>濃度域では濃度上昇に従い開口が促進されるが、ある濃度でそれがピークアウトし、それ以上の濃度域では濃度上昇に従い開口が阻害される。 グリア細胞のような電気的に非[[興奮性]]の細胞においては、主要なCa<sup>2+</sup>供給経路となる。また神経細胞においてもCa<sup>2+</sup>シグナルに関与する。 イノシトール3リン酸とCa<sup>2+</sup>の両方を必要とする性質により、二種類の入力を統合する機能を持ち得る。実際、小脳[[プルキンエ細胞]]における[[長期抑圧]]誘導時に、二種類のシナプス入力の[[同期検出]]を担っている<ref><pubmed>11100147</pubmed></ref>。<br>


 小胞体以外の細胞内小器官では、[[ミトコンドリア]]が細胞内カルシウムストアとして重要な役割を果たしている。また小胞体-ミトコンドリア間の密接な接合構造が知られており、ここでCa<sup>2+</sup>のやり取りが行なわれていると考えられる。詳細については [[ミトコンドリア]] の項を参照のこと。  
 小胞体以外の細胞内小器官では、[[ミトコンドリア]]が細胞内カルシウムストアとして重要な役割を果たしている。また小胞体-ミトコンドリア間の密接な接合構造が知られており、ここでCa<sup>2+</sup>のやり取りが行なわれていると考えられる。詳細については [[ミトコンドリア]] の項を参照のこと。  

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