「酸化ストレス」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
(ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">[http://researchmap.jp/kabu555 株田 智弘]、[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司]</font><br> ''独立行政法人国立...」)
 
編集の要約なし
11行目: 11行目:


== 酸化反応の例 ==
== 酸化反応の例 ==
 
タンパク質のシステイン残基を介したジスルフィド結合の生成
蛋[[白質]]のシステイン残基を介したジスルフィド結合の生成


(Protein)–SH + (Protein)–SH → (Protein)–S–S–(Protein) + 2H+ + 2e–
(Protein)–SH + (Protein)–SH → (Protein)–S–S–(Protein) + 2H+ + 2e–
18行目: 17行目:
== 活性酸素種 ==
== 活性酸素種 ==


 生体内において一部の酸素は、多くの物質と反応しやすい活性酸素種(Reactive [[Oxygen]] Species: ROS)に変化する。この活性酸素種は細胞の核酸、蛋白質、糖質、脂質などを酸化するとき傷害的に作用する。その結果、細胞の構造と機能に変化が生じ、病気を引き起こしやすくなったり、老化を早めたりすると考えられている。活性酸素種には生理的な役割もあるが、本稿では省略する。活性酸素種が過剰に生成・存在している状態は、酸化[[ストレス]]の状態であると言える。
 生体内において一部の酸素は、多くの物質と反応しやすい活性酸素種(Reactive [[Oxygen]] Species: ROS)に変化する。この活性酸素種は細胞の核酸、タンパク質、糖質、脂質などを酸化するとき傷害的に作用する。その結果、細胞の構造と機能に変化が生じ、病気を引き起こしやすくなったり、老化を早めたりすると考えられている。活性酸素種には生理的な役割もあるが、本稿では省略する。活性酸素種が過剰に生成・存在している状態は、酸化[[ストレス]]の状態であると言える。


 活性酸素種として主なものにはスーパーオキシド (・O2–)、ヒドロキシラジカル (・OH)、過酸化水素 (H2O2)などがある。なかでもヒドロキシラジカルは極めて反応性が高いことが知られている。ヒドロキシルラジカルが脂質と反応すると、過酸化脂質が生成される。過酸化脂質はさらに他の物質を酸化させ、過剰な過酸化脂質は細胞に障害的に作用する<ref name=ref1><pubmed>15031734</pubmed></ref>。
 活性酸素種として主なものにはスーパーオキシド (・O2–)、ヒドロキシラジカル (・OH)、過酸化水素 (H2O2)などがある。なかでもヒドロキシラジカルは極めて反応性が高いことが知られている。ヒドロキシルラジカルが脂質と反応すると、過酸化脂質が生成される。過酸化脂質はさらに他の物質を酸化させ、過剰な過酸化脂質は細胞に障害的に作用する<ref name=ref1><pubmed>15031734</pubmed></ref>。

案内メニュー