「島」の版間の差分

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3 バイト除去 、 2013年11月5日 (火)
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 リスクのいかなる側面に対して島が活動するのかについて、諸家の意見は様々である。損害回避傾向や神経症性などのパーソナリティ指標が高いと、リスク回避行動が顕著となり、これらは島の活動と相関する(Paulus et al 2003)。また、前部島の活動はリスクの予測やリスクの予測誤差と相関する(Preuschoff et al 2008, Singer et al 2009)。一方、リスクを伴わない意思決定やリスク回避行動の直前(Kuhnen and Knutson 2005)や、リスクを伴う意思決定や意思決定の結果実際に損害を被らずに済んだ場合(Xue et al 2010)などに活動するという報告もある。
 リスクのいかなる側面に対して島が活動するのかについて、諸家の意見は様々である。損害回避傾向や神経症性などのパーソナリティ指標が高いと、リスク回避行動が顕著となり、これらは島の活動と相関する(Paulus et al 2003)。また、前部島の活動はリスクの予測やリスクの予測誤差と相関する(Preuschoff et al 2008, Singer et al 2009)。一方、リスクを伴わない意思決定やリスク回避行動の直前(Kuhnen and Knutson 2005)や、リスクを伴う意思決定や意思決定の結果実際に損害を被らずに済んだ場合(Xue et al 2010)などに活動するという報告もある。


===報酬=== 
===報酬===
 痛みと報酬の独立したネットワークが存在するという主張によれば、島は「痛みネットワーク」に属するという(Lieberman and Eisenberger 2009)。一方、報酬に関連した活動を認めるという報告がある。ヒト島は、報酬の条件刺激に(Büchel et al 1999, Kirsch et al 2003)、金銭報酬と金銭損失の両方に(Elliot et al 2000)、金銭報酬の期待に(Knutson et al 2003)対して活動し、活動の強さは金銭報酬の予測額と相関する(Knutson et al 2005)という。一方金銭報酬の予測額と逆相関するという報告もある(Rolls et al 2007)。島は社会的報酬(褒められるなど)にも反応する(Izuma et al 2008)。公正でないプレイヤーの処罰(de Quervain et al 2004)、慈善行為(Moll et al 2006, Tankersley et al 2007)、他人への信頼(Rilling et al 2002, Singer et al 2004 from Harbaugh et al 2007)、恋人や実子の顔(情動を参照)でも活動し、これらも社会的報酬への反応とみなせる。マカクザルの後部島(Asahi et al 2006)や前部島(Mizuhiki et al 2012)には、報酬に反応する単一ニューロンが存在する。前部島では、ごく近い将来の差し迫った報酬の期待・可能性に関係したニューロン活動が見つかっている(Mizuhiki et al 2012)。
 痛みと報酬の独立したネットワークが存在するという主張によれば、島は「痛みネットワーク」に属するという(Lieberman and Eisenberger 2009)。一方、報酬に関連した活動を認めるという報告がある。ヒト島は、報酬の条件刺激に(Büchel et al 1999, Kirsch et al 2003)、金銭報酬と金銭損失の両方に(Elliot et al 2000)、金銭報酬の期待に(Knutson et al 2003)対して活動し、活動の強さは金銭報酬の予測額と相関する(Knutson et al 2005)という。一方金銭報酬の予測額と逆相関するという報告もある(Rolls et al 2007)。島は社会的報酬(褒められるなど)にも反応する(Izuma et al 2008)。公正でないプレイヤーの処罰(de Quervain et al 2004)、慈善行為(Moll et al 2006, Tankersley et al 2007)、他人への信頼(Rilling et al 2002, Singer et al 2004 from Harbaugh et al 2007)、恋人や実子の顔(情動を参照)でも活動し、これらも社会的報酬への反応とみなせる。マカクザルの後部島(Asahi et al 2006)や前部島(Mizuhiki et al 2012)には、報酬に反応する単一ニューロンが存在する。前部島では、ごく近い将来の差し迫った報酬の期待・可能性に関係したニューロン活動が見つかっている(Mizuhiki et al 2012)。


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