「標的認識」の版間の差分

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<ターゲット認識に関与する分子メカニズムについて>  
<ターゲット認識に関与する分子メカニズムについて>  


 上記の様にシナプス形成の過程には様々な過程を必要とし、様々な特異性を生み出す必要がある。そのための分子メカニズムがどうなっているかについては完全には明らかにされていない。個々の細胞レベルでの特異性は鍵と鍵穴のような認識分子があり、それが無数に存在することで達成されるのではないかという様に提唱はされているが、それを支えることのできる多様性のある分子としてはプロトカドヘリンしか存在しないし、プロトカドヘリンがそれを担っているかどうかについてはまだ証明はされていない。一つの分子ではなく、幾つかの分子の組み合わせでそういった多様性が生み出されるという説もある。但し、最近の報告では、ターゲットの領域にたどり着くのにはある分子メカニズムが必要であるが、そのあとの正しい細胞を見つけるのはどこの位置に正しい細胞があるかによって形成されるという例もあり、その場合、位置を変えるとつなぎ替えがおこってしまうことも報告されている。分子メカニズムとしては、まず、目的の領域に達する機構(様々なアクソンガイダンスのメカニズム)、そして領域内のどこに到着するかを決定する機構(おそらく神経成長因子か抑制性因子とそのレセプターの発現レベルによって形成される)、そして特異的な細胞集団を見つける機構(おそらく細胞接着因子)、そして細胞内の特異的なコンパートメントを見つける機構(おそらく細胞接着因子)が必要である。    
 上記の様にシナプス形成の過程には様々な過程を必要とし、様々な特異性を生み出す必要がある。そのための分子メカニズムがどうなっているかについては完全には明らかにされていない。個々の細胞レベルでの特異性は鍵と鍵穴のような認識分子があり、それが無数に存在することで達成されるのではないかという様に提唱はされているが、それを支えることのできる多様性のある分子としてはプロトカドヘリンしか存在しないし、プロトカドヘリンがそれを担っているかどうかについてはまだ証明はされていない。一つの分子ではなく、幾つかの分子の組み合わせでそういった多様性が生み出されるという説もある。但し、最近の報告では、ターゲットの領域にたどり着くのにはある分子メカニズムが必要であるが、そのあとの正しい細胞を見つけるのはどこの位置に正しい細胞があるかによって形成されるという例もあり、その場合、位置を変えるとつなぎ替えがおこってしまうことも報告されている。分子メカニズムとしては、まず、目的の領域に達する機構(様々なアクソンガイダンスのメカニズム)、そして領域内のどこに到着するかを決定する機構(おそらく神経伸長促進因子か抑制性因子とそのレセプターの発現レベルによって形成される)、そして特異的な細胞集団を見つける機構(おそらく細胞接着因子)、そして細胞内の特異的なコンパートメントを見つける機構(おそらく細胞接着因子)が必要である。    


<各論>  
<各論>  
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<Waiting period>  ターゲット認識に関連して、こういう概念がある。これはアクソンが脳内の正しい領域に到達したあとに、正しい神経細胞にシナプスを形成する前に、アクソンが待機するピリオドのことをさす。この間にターゲット細胞が成熟し、その後、アクソンがシナプスを形成する。大脳皮質にはいって来る視床からの線維や、小脳皮質にはいってくる線維がこういう行動を示すことが知られている。  
<Waiting period>  ターゲット認識に関連して、こういう概念がある。これはアクソンが脳内の正しい領域に到達したあとに、正しい神経細胞にシナプスを形成する前に、アクソンが待機するピリオドのことをさす。この間にターゲット細胞が成熟し、その後、アクソンがシナプスを形成する。大脳皮質にはいって来る視床からの線維や、小脳皮質にはいってくる線維がこういう行動を示すことが知られている。  


<br> 同義語
<br> 同義語:


重要な関連語
重要な関連語:axon guidance、synapse formation、topographic mapping、circuit formation


(執筆者:櫻井武、担当編集委員:大隅典子)
(執筆者:櫻井武、担当編集委員:大隅典子)
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