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英語名:semaphorin | 英語名:semaphorin | ||
{{box|text= セマフォリンは[[セマドメイン]]を持つリガンドの総称で、分泌型と膜結合型があり、現在20種類以上存在する。その主要な[[受容体]] | {{box|text= セマフォリンは[[セマドメイン]]を持つリガンドの総称で、分泌型と膜結合型があり、現在20種類以上存在する。その主要な[[受容体]]である[[プレキシン]]もセマドメインを細胞外に持ち、細胞内領域と相互作用する[[低分子量Gタンパク質]]や[[タンパク質リン酸化酵素]]等を介して情報伝達を行う。セマフォリンが生体内で担う役割は、神経[[軸索ガイダンス]]、[[wj:血管|血管]]新生、[[wj:免疫|免疫]]、[[wj:骨代謝|骨代謝]]制御と多岐にわたる。}} | ||
{{Pfam_box | {{Pfam_box | ||
| Symbol = Sema | | Symbol = Sema | ||
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==セマフォリンとは== | ==セマフォリンとは== | ||
セマフォリン分子群の先駆けは、特定の神経束を染め分ける[[wj:モノクローナル抗体|モノクローナル抗体]]により同定されたファシクリンIVと、[[wj:ニワトリ|ニワトリ]][[後根神経節]]細胞の[[成長円錐]]退縮応答を指標に同定されたコラプシン(後の[[セマフォリン3A]], Sema3A)である。セマフォリン3Aは、当初、退縮活性を有することからコラプシンと命名されたが<ref name=ref1><pubmed>10679438</pubmed></ref>、セマドメインを共有するセマフォリン3A以外のセマフォリンファミリー分子群が、必ずしも退縮活性を示さないことから、これらを総称して、セマフォリン(ギリシア語の手旗信号)ファミリー分子群と命名されるに至った<ref name=ref2><pubmed>10367884</pubmed></ref>。セマフォリンのプロトタイプであるセマフォリン3Aはその後、ニューロピリン1を受容体とすること、この受容体が、血管内皮細胞増殖因子 (vascular endothelial growth factor, VEGF)の受容体でもあることが発見されるに及び<ref name=ref3><pubmed>10688880</pubmed></ref>、セマフォリンが血管系、免疫系等の神経系以外の様々な組織で重要な役割をすることが広く認識されるようになった。加えてアトピー性皮膚炎、がん、多発性硬化症、骨粗鬆症など<ref name=ref4><pubmed>24171101</pubmed></ref>、セマフォリン分子が密接に関係する病態が発見されるようになり、現在ではセマフォリンは重要な創薬ターゲットとしても多くの研究者の注目を集めている。 | |||
== セマフォリンファミリー分子とその受容体 == | == セマフォリンファミリー分子とその受容体 == |