「筋紡錘」の版間の差分

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担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadashiisa 伊佐 正](自然科学研究機構生理学研究所)<br>
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英語名:muscle spindle


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 筋紡錘は直径約100μmで長さは10mmにも及ぶ結合組織性のカプセルで包まれた状態である。筋線維と筋線維の間に存在し、筋紡錘の両端は筋の結合組織に付着している。筋紡錘には筋の中心部に存在するものと、筋肉の端の方についているものとが存在する。前者は筋紡錘1次終末と呼ばれ、Ⅰa群求心線維に支配される。後者は筋紡錘2次終末と呼ばれⅡ群求心線維に支配される。この2種類の筋紡錘ともにγ運動(動的及び静的)ニューロンに支配されている。
 筋紡錘は直径約100μmで長さは10mmにも及ぶ[[wikipedia:ja:結合組織|結合組織]]性のカプセルで包まれた状態である。筋線維と筋線維の間に存在し、筋紡錘の両端は筋の結合組織に付着している。筋紡錘には筋の中心部に存在するものと、筋肉の端の方についているものとが存在する。前者は筋紡錘1次終末と呼ばれ、Ⅰa群求心線維に支配される。後者は筋紡錘2次終末と呼ばれⅡ群求心線維に支配される。この2種類の筋紡錘ともにγ運動(動的及び静的)ニューロンに支配されている。


 筋紡錘は筋の伸展に反応して放電を示す。錘外筋の収縮により筋紡錘がたるんだ時放電が減少し、また、錘外筋の伸展により筋紡錘が伸ばされた時に放電の増加が観察される。一次終末と2次終末では錘外筋の伸展に対して異なった反応をする。1次終末は筋紡錘の伸展の変化幅と変化率の両方の要因に依存して放電を変化させる。一方、2次終末は主に伸展の変化幅のみに対して放電を変化させる。このことから、1次終末は筋の長さとそれが変化する速度を、2次終末は筋の長さそのものを伝えていると考えられる。
 筋紡錘は筋の伸展に反応して放電を示す。錘外筋の収縮により筋紡錘がたるんだ時放電が減少し、また、錘外筋の伸展により筋紡錘が伸ばされた時に放電の増加が観察される。一次終末と2次終末では錘外筋の伸展に対して異なった反応をする。1次終末は筋紡錘の伸展の変化幅と変化率の両方の要因に依存して放電を変化させる。一方、2次終末は主に伸展の変化幅のみに対して放電を変化させる。このことから、1次終末は筋の長さとそれが変化する速度を、2次終末は筋の長さそのものを伝えていると考えられる。
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== 筋紡錘 ==
== 筋紡錘 ==
muscle spindle


 筋紡錘は骨格筋に内包されている感覚受容器である。紡錘状の形状をしているのがその名前の由来であるが筋[[固有受容器]]と呼ばれる場合もある。筋紡錘の主な機能は、筋紡錘の周囲の筋(錘外筋)の長さ変化を受容し、電気信号化することである。筋長の変化はその筋が関わる関節角度の変化と密接に連関している。従って、筋紡錘からの信号は身体の各部位の相対的な位置を反映しており、このような[[深部感覚]]の責任受容器である。
 筋紡錘は骨格筋に内包されている感覚受容器である。紡錘状の形状をしているのがその名前の由来であるが筋[[固有受容器]]と呼ばれる場合もある。筋紡錘の主な機能は、筋紡錘の周囲の筋(錘外筋)の長さ変化を受容し、電気信号化することである。筋長の変化はその筋が関わる関節角度の変化と密接に連関している。従って、筋紡錘からの信号は身体の各部位の相対的な位置を反映しており、このような[[深部感覚]]の責任受容器である。

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