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== 屈曲反射 == | == 屈曲反射 == | ||
[[image:脊髄反射2.jpg|thumb|300px|'''図2.屈曲反射の反射弓'''<br> | [[image:脊髄反射2.jpg|thumb|300px|'''図2.屈曲反射の反射弓'''<br>片方の足などに痛み刺激が加わると、[[痛み受容器]]が活動する。その活動は求心性神経を通って脊髄に入り、屈筋を興奮させ、伸筋を抑制する。すると痛みを受けた足は痛みを避けるように上がる。これと同時に、対側に投射する介在細胞によって、逆の足が踏ん張れるように、伸筋を興奮させ、屈筋を抑制する。これで、痛みから逃げても身体が倒れることはない。]] | ||
もうひとつの有名な脊髄反射の例は、痛みの刺激から手や足を引っ込める屈曲反射である。この反射は、刺激の種類から見れば[[痛み刺激反射]]であり、効果から見れば[[逃避反射]]である。引き起こされる身体反応は、刺激を受けた手だけにとどまらず、逆の手や足など広範囲に及び、全体として合理的な反応になっている。反応の及ぶ範囲は、痛み刺激が強いほど広い。これが意図的な行為でなく、脊髄反射であるといえるのは、脊髄を離断した後にも同様に起こるためである。 | もうひとつの有名な脊髄反射の例は、痛みの刺激から手や足を引っ込める屈曲反射である。この反射は、刺激の種類から見れば[[痛み刺激反射]]であり、効果から見れば[[逃避反射]]である。引き起こされる身体反応は、刺激を受けた手だけにとどまらず、逆の手や足など広範囲に及び、全体として合理的な反応になっている。反応の及ぶ範囲は、痛み刺激が強いほど広い。これが意図的な行為でなく、脊髄反射であるといえるのは、脊髄を離断した後にも同様に起こるためである。 | ||
このような屈曲反射を可能にする介在神経回路は図2のようなものである。まず相反神経支配によって、刺激を受けた手足を屈曲して刺激から遠ざけるために屈筋を興奮させ、邪魔にならないよう伸筋を抑制する。片方の手足の屈曲による姿勢の崩れを防ぐためには、同時にもう一方の手足はふんばる必要がある。このため逆転した相反神経支配が、対側の伸筋を興奮させ、屈筋を抑制する。これは[[交差性伸展反射]]とも呼ばれる。ヒトの場合は手での必要性を理解にくいかもしれないが、四足動物では、手であれ足であれ必須であることが容易に想像できるだろう。 | |||
== レンショウ抑制 == | == レンショウ抑制 == |