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Tomokouekita (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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=== 場所細胞の発見 === | === 場所細胞の発見 === | ||
海馬が空間認知の神経基盤であることは、海馬の神経細胞の活動を記録する電気生理学的研究によっても支持された。その先駆的研究は、O'Keefe & Dostrovsky (1971)によるユニット記録研究である。彼らは自由探索中のラットの海馬神経細胞の活動を記録し、ラットが空間の特定の領域を横切るのに同期して高頻度で発火する細胞の存在を報告した。これがいわゆる場所細胞である。その後、Wilson & McNaughton (1993)により、同時に100個以上の神経細胞を記録することのできる多電極記録法が開発され、ラットが特定の位置に来ると複数の神経細胞が同時発火する相関的発火が生じることも明らかになった。また、Lever, Wills, Cacucci, Burgess, & O'Keefe (2002) | 海馬が空間認知の神経基盤であることは、海馬の神経細胞の活動を記録する電気生理学的研究によっても支持された。その先駆的研究は、O'Keefe & Dostrovsky (1971)によるユニット記録研究である。彼らは自由探索中のラットの海馬神経細胞の活動を記録し、ラットが空間の特定の領域を横切るのに同期して高頻度で発火する細胞の存在を報告した。これがいわゆる場所細胞である。その後、Wilson & McNaughton (1993)により、同時に100個以上の神経細胞を記録することのできる多電極記録法が開発され、ラットが特定の位置に来ると複数の神経細胞が同時発火する相関的発火が生じることも明らかになった。また、Lever, Wills, Cacucci, Burgess, & O'Keefe (2002)は、円形広場と正方形の広場の中でラットが探索行動をしている間に、CA1野の場所細胞がどのように場所フィールドを形成していくかを長期間にわたり観察した。探索1日目には、円形広場でも正方形の広場でも共通した場所フィールドが形成されるが、5日目には1日目の場所フィールドが崩れ、一方の空間を探索しているときに発火していた場所細胞が他方の空間では発火しなくなったり、それぞれの空間で異なる場所フィールドが形成された。探索21目には、環境の違いに応じた場所フィールドの違いが顕著になり、ラットをホームケージに戻し数週間の遅延を置いたのちにもこの傾向が維持された。このことは、CA1野の神経細胞が地理的な特徴に基づいて空間を弁別し、長期間記憶していることを示唆した。 | ||
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=== 長期増強と空間記憶 === | === 長期増強と空間記憶 === | ||
長期増強の現象は、過去経験の痕跡が永続的に保持される記憶の性質と類似しており、神経科学はLTPと記憶が共通の生理基盤を持つことを証明しようとしてきた。Barnes(1979)は老齢ラットではLTPが減衰しやすいこと、そして、これらのラットが巣穴の位置を記憶させるBarnes迷路での空間課題に障害を示すことを報告した。また、McNaughton, Barnes, Rao, Baldwin & Rasmussen(1986)は、貫通線維のシナプスを飽和させるとBarnes迷路において空間記憶障害が生じることを報告している。 | |||
=== NMDA受容体と空間記憶 === | === NMDA受容体と空間記憶 === |
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