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Tsuyoshiokamoto (トーク | 投稿記録) 細 (② 受容野のパラグラフ中 かかわるーー>関わる ③ LGNとV1の視野地図のパラグラフ5-6行目の文を削除) |
Tsuyoshiokamoto (トーク | 投稿記録) 細 (④ 文献4と5 EndNoteからの参照付けで、誤ってPMCIDを貼っていたものを、正しいAccession Numberに訂正しました。) |
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== 受容野 == | == 受容野 == | ||
視覚情報処理に関わる全ての神経細胞は、視野内の特定の局所領域からの光刺激に応答し、[[膜電位]]を変化させる。この空間領域は受容野と呼ばれる。受容野の大きさは、原則として、視覚路上で網膜から遠ざかるにつれて大きくかつ複雑になる。例えば、網膜の入力細胞である[[視細胞]]は直径数μmの点で光の強弱を膜電位に変換している(ヒトの網膜では、明所視に関わる[[錐体細胞]]は約500万個あり、[[中心窩]]で直径約2μm、周辺部で直径約10μm<ref><pubmed>2324310 </pubmed></ref>、暗所視に関わる[[桿体細胞]]は約9000万個あり、直径約2~3μm <ref><pubmed>8225863 </pubmed></ref>)。これら約1億個の視細胞が重ならず網膜の表面に平行に隙間無く並び、[[wikipedia:JA:モザイク|モザイク]]状の構造を形成している。視細胞は、網膜の出力細胞である網膜神経節細胞と多対一の結合をしている。神経節細胞からLGN、LGNからV1など、低次領野から高次領野への投射も多対一であるため、神経細胞の受容野は高次領野に進むにつれて大きくなる。そして、どの領野においても、受容野の大きさに比べて隣接する神経細胞間の距離が短いため、隣接細胞間では受容野の大部分が重なっている。 | 視覚情報処理に関わる全ての神経細胞は、視野内の特定の局所領域からの光刺激に応答し、[[膜電位]]を変化させる。この空間領域は受容野と呼ばれる。受容野の大きさは、原則として、視覚路上で網膜から遠ざかるにつれて大きくかつ複雑になる。例えば、網膜の入力細胞である[[視細胞]]は直径数μmの点で光の強弱を膜電位に変換している(ヒトの網膜では、明所視に関わる[[錐体細胞]]は約500万個あり、[[中心窩]]で直径約2μm、周辺部で直径約10μm<ref><pubmed>2324310</pubmed></ref>、暗所視に関わる[[桿体細胞]]は約9000万個あり、直径約2~3μm <ref><pubmed>8225863</pubmed></ref>)。これら約1億個の視細胞が重ならず網膜の表面に平行に隙間無く並び、[[wikipedia:JA:モザイク|モザイク]]状の構造を形成している。視細胞は、網膜の出力細胞である網膜神経節細胞と多対一の結合をしている。神経節細胞からLGN、LGNからV1など、低次領野から高次領野への投射も多対一であるため、神経細胞の受容野は高次領野に進むにつれて大きくなる。そして、どの領野においても、受容野の大きさに比べて隣接する神経細胞間の距離が短いため、隣接細胞間では受容野の大部分が重なっている。 | ||
== LGNとV1の視野地図 == | == LGNとV1の視野地図 == | ||
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方位選択性はLGNまでには見られず、V1で初めて見られる特徴抽出性である。V1には空間選択性の配列である視野地図と方位選択性の配列である方位地図が同居しており、視野地図の歪みは、これらの異なる特徴選択性地図を同一皮質内に埋め込んだ弊害だという可能性がある。 | 方位選択性はLGNまでには見られず、V1で初めて見られる特徴抽出性である。V1には空間選択性の配列である視野地図と方位選択性の配列である方位地図が同居しており、視野地図の歪みは、これらの異なる特徴選択性地図を同一皮質内に埋め込んだ弊害だという可能性がある。 | ||
方位地図も[[ピンウィール]]という構造を持つ特殊な歪みをしているが、こちらは局所的な方位の差(方位コントラスト)の情報処理に役立っている可能性が示唆されている<ref><pubmed> | 方位地図も[[ピンウィール]]という構造を持つ特殊な歪みをしているが、こちらは局所的な方位の差(方位コントラスト)の情報処理に役立っている可能性が示唆されている<ref><pubmed>22355631</pubmed></ref>。 | ||
== V2以遠の視野地図 == | == V2以遠の視野地図 == | ||
[[二次視覚野]](V2)以遠の視覚野では、V1までのような秩序立った視野地図にはなっていない<ref><pubmed> | [[二次視覚野]](V2)以遠の視覚野では、V1までのような秩序立った視野地図にはなっていない<ref><pubmed>15937008</pubmed></ref>。V2では、背側部で下視野、腹側部で上視野が再現されており、視野平面と一応の対応関係はあるが、V3以降では明確な視野地図を描く事は難しい。視覚路の先に進むにつれて神経細胞の受容野は大きくなり、複雑な視覚特徴に反応するようになるため、視覚野内の神経細胞の位置関係がそのまま視野上の受容野の位置関係を再現しなくなる。例えば、[[背側視覚路]]の後半にある[[MST野]](medial superior temporal area)の背側部([[MSTd野]])の神経細胞は、視野の一点を中心に放射状に拡大あるいは収束していく動きや、視野の一点を中心に回転する動きに反応する。MSTd野の多くの細胞の受容野が視野中心を含むため、視野再現は見られない。 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
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