「痛覚」の版間の差分

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== 中枢メカニズム  ==
== 中枢メカニズム  ==
 [[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]の脳内痛覚認知機構は、近年の[[脳機能イメージング]]の研究の進歩に伴い、急速に研究が進んできた。[[脳磁図]]を用いた研究では、視床からSIに到達した後、[[第2次体性感覚野]](SII)と島に向かう経路と[[連合野]]([[5野]]および[[7野]])に向かう経路の2つが存在する事がわかってきた。また、視床から直接、[[島]]、[[帯状回]]、[[扁桃体]]に向かう経路もあり、島には両方の経路を経由するシグナルが到達する(図1)<ref name="ref2"><pubmed>22138180</pubmed></ref> <ref name=ref03><pubmed>12849756</pubmed></ref>。現在、島は痛覚認知の重要な部位であると考えられている。島の活動から約100 msecほど遅れて帯状回と扁桃体にシグナルが到達する<ref name="ref2"><pubmed>22138180</pubmed></ref>。このような詳細な時間情報は脳磁図が優れているが、活動部位の詳細な同定には、[[Positron Emission Tomography]](PET)や[[functional magnetic resonance imaging]] (fMRI)が優れている(図2、図3)<ref name=ref04><pubmed>16280463</pubmed></ref>。島と帯状回周辺には、first painとsecond painの両方に対して活動する部位と、second painが与えられた時だけに活動する部位が存在する<ref name=ref04 /。second painによって不快等の強い情動反応を起こすのは、この部位が関与していると考えられている。
 [[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]の脳内痛覚認知機構は、近年の[[脳機能イメージング]]の研究の進歩に伴い、急速に研究が進んできた。[[脳磁図]]を用いた研究では、視床からSIに到達した後、[[第2次体性感覚野]](SII)と島に向かう経路と[[連合野]]([[5野]]および[[7野]])に向かう経路の2つが存在する事がわかってきた。また、視床から直接、[[島]]、[[帯状回]]、[[扁桃体]]に向かう経路もあり、島には両方の経路を経由するシグナルが到達する。現在、島は痛覚認知の重要な部位であると考えられている。島の活動から約100 msecほど遅れて帯状回と扁桃体にシグナルが到達する(図1)<ref name="ref2"><pubmed>22138180</pubmed></ref> <ref name=ref03><pubmed>12849756</pubmed></ref>。このような詳細な時間情報は脳磁図が優れているが、活動部位の詳細な同定には、[[Positron Emission Tomography]](PET)や[[functional magnetic resonance imaging]] (fMRI)が優れている(図2、図3)<ref name=ref04><pubmed>16280463</pubmed></ref>。島と帯状回周辺には、first painとsecond painの両方に対して活動する部位と、second painが与えられた時だけに活動する部位が存在する<ref name=ref04 />。second painによって不快等の強い情動反応を起こすのは、この部位が関与していると考えられている。


== 痛覚と情動  ==
== 痛覚と情動  ==

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