「内側視索前野」の版間の差分

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 脳の腹側部、[[前交連]]の尾側から[[視交叉]]までの[[第三脳室]]最吻側部を囲む領域をいう。機能的には尾側に位置する視床下部と不可分で、自律神経調節、内分泌機能と本能行動の調節に関わる。進化的に古い領域で、肺魚dipnoiですでに存在が認められている(Rudebeck, B. Acta Zool 26:9,1945)。
 脳の腹側部、[[前交連]]の尾側から[[視交叉]]までの[[第三脳室]]最吻側部を囲む領域をいう。機能的には尾側に位置する視床下部と不可分で、自律神経調節、内分泌機能と本能行動の調節に関わる。進化的に古い領域で、無顎類ですでに存在する(Rudebeck, B. Acta Zool 26:9,1945)。
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== 発生 ==
== 発生 ==


 主な[[ニューロン]]は第三脳室壁から発生する。3[[脳胞]]のうち[[前脳]] (forebrain)の尾側端に由来するので、発生学的には[[終脳]] (telencephalon)に属するが、機能的観点から、しばしば[[間脳]] (diencephalon)である視床下部と一体の最吻側部とされることがある (Le Gros Clark, 1938)。[[脳原基]]の部域化に関わる多くの[[転写因子]]やシグナル分子が[[視床下部]]にも共通するものがで、ニューロンの化学的性質、[[受容体]]発現、コネクトーム(プロテオーム、あるいはトランスクリプトームでしょうか?)も視床下部との共通点が多い(文献を御願い致します)。
 主な[[ニューロン]]は第三脳室壁から発生する。3[[脳胞]]のうち[[前脳]] (forebrain)の尾側端に由来するので、発生学的には[[終脳]] (telencephalon)に属するが、機能的観点から、しばしば[[間脳]] (diencephalon)である視床下部と一体の最吻側部とされることがある (Le Gros Clark, 1938)。[[脳原基]]の部域化に関わる多くの[[転写因子]]やシグナル分子が[[視床下部]]にも共通するものが少なくない。最近下郡智美らはマウス胎児の終脳と間脳の境界が<IT>Foxg1</IT>が終脳に、<IT>Gdf10</IT>が間脳吻側端に発現していることを示し、終脳と間脳の境界を示す遺伝子発現であるとした(Shimogori, T. et al, A genomic atlas of mouse hypothalamic development.Nat Neurosci 2010)。また、Nerea MorenoとAgustín González (2011)は、大脳半球が神経管前端の外反によって生じるのに対し、外反せずにとどまったのが内側視索前野で、この領域の正常な分化にはDlxファミリーとNkx2.1aが必須と述べている。一方、PuellesとRubinstein (2003, Trends Neurosci)はDlx5、 Pax6、Nkx2.1の発現パターンから、終脳と間脳ニューロンの化学的性質、[[受容体]]発現、コネクトーム(プロテオーム、あるいはトランスクリプトームでしょうか?)も視床下部との共通点が多い(文献を御願い致します)。


 第三脳室壁から発生するニューロンに加え、[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]](Kallmann症候群はヒトですが、GnRHホルモンが移行するのは齧歯類に限定されるのでしょうか?)では[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]](gonadotropin releasing hormone, GnRH)産生ニューロンが[[鋤鼻器]]原基に発生し視索前野に進入する(文献を御願い致します)。低ゴナドトロピン性[[性腺機能不全]]と[[無嗅覚症]]を主徴とするヒトのKallmann症候群は、Xp22.3上の[[KAL-1]]遺伝子の異常によりこの移動が妨げられた結果である(文献を御願い致します)。
 第三脳室壁から発生するニューロンに加え、[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]](Kallmann症候群はヒトですが、GnRHホルモンが移行するのは齧歯類に限定されるのでしょうか?)では[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]](gonadotropin releasing hormone, GnRH)産生ニューロンが[[鋤鼻器]]原基に発生し視索前野に進入する(文献を御願い致します)。低ゴナドトロピン性[[性腺機能不全]]と[[無嗅覚症]]を主徴とするヒトのKallmann症候群は、Xp22.3上の[[KAL-1]]遺伝子の異常によりこの移動が妨げられた結果である(文献を御願い致します)。
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