「ゲフィリン」の版間の差分

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[[ファイル:Scaffolding proteins2.jpg|thumb|right|300px|<b>図1. ゲフィリンのドメイン構造</b>]]
[[ファイル:Scaffolding proteins2.jpg|thumb|right|300px|<b>図1. ゲフィリンのドメイン構造</b>]]
[[image:ゲフィリン1.png|thumb|350px|'''図2.抑制性[[シナプス]]後膜におけるゲフィリン'''<br>Gドメインの三量体形成とEドメインの二量体形成による六方格子(hexagonal lattice)モデルが仮定されている<ref name=ref6><pubmed>15201864</pubmed></ref> <ref name=ref7><pubmed>11554796</pubmed></ref>。<br>
[[image:ゲフィリン1.png|thumb|350px|'''図2.抑制性[[シナプス]]後膜におけるゲフィリン'''<br>Gドメインの三量体形成とEドメインの二量体形成による六方格子(hexagonal lattice)モデルが仮定されている<ref name=ref6><pubmed>15201864</pubmed></ref> <ref name=ref7><pubmed>11554796</pubmed></ref>。<br>
注: [[グリシン]]受容体のサブユニット構成比(3つのαサブユニットと2つのβサブユニット、もしくは2つのαサブユニットと3つのβサブユニット)については、まだ明確になっていない<ref name=ref8><pubmed></pubmed></ref>。]]
注: [[グリシン]]受容体のサブユニット構成比(3つのαサブユニットと2つのβサブユニット、もしくは2つのαサブユニットと3つのβサブユニット)については、まだ明確になっていない<ref name=ref8><pubmed>24552784</pubmed></ref>。]]
===ドメイン構造並びにタンパク質相互作用===
===ドメイン構造並びにタンパク質相互作用===
 93 kDaの表在性[[膜タンパク質]]として同定されたゲフィリンは<ref name=ref2><pubmed>3032237</pubmed></ref> <ref name=ref3><pubmed>1657993</pubmed></ref>、自己オリゴマー化によって凝集体を形成する<ref name=ref1 />。G、C、Eの3ドメインから成り(図1)、GドメインN末端(20 kDa)とEドメインC末端(43 kDa)がCドメイン(リンカー領域: 18-21 kDa)に結合している<ref name=ref4><pubmed>18403029</pubmed></ref>。Gドメインは安定した三量体を形成する一方、Eドメインは二量体を形成し、[[グリシン受容体]]βサブユニットの細胞内ループ(M3-M4)に高親和性を示す。グリシン受容体βサブユニットにおける[[セリン]]残基403が[[プロテインキナーゼC]] ([[PKC]])によって[[リン酸化]]されると、ゲフィリンとの結合が減少する<ref name=ref5><pubmed>21829170</pubmed></ref>。また、[[結晶構造解析]]の結果から、ゲフィリンの二量体形成面における[[フェニルアラニン]]残基330、[[チロシン]]残基673、[[プロリン]]残基713残基がグリシン受容体βサブユニットとの高い親和性に重要であると考えられる<ref name=ref4 />。「リンカー領域」とも呼ばれるCドメインにはゲフィリン結合タンパクの作用部位があり、[[peptidyl-prolyl isomerase NIMA interacting protein 1]] ([[Pin1]])は188-201配列に、[[ダイニン軽鎖]]1 ([[dynein light chain]] 1, [[Dlc1]])およびダイニン軽鎖2 ([[dynein]] light chain 2, [[Dlc2]])は203-212配列に、[[アクチン]]重合に関与する[[Cdc42]]に選択的な[[コリビスチン]]([[collybistin]])は319-329配列に作用する。また、タンパク分解をされやすいのもCドメインである。
 93 kDaの表在性[[膜タンパク質]]として同定されたゲフィリンは<ref name=ref2><pubmed>3032237</pubmed></ref> <ref name=ref3><pubmed>1657993</pubmed></ref>、自己オリゴマー化によって凝集体を形成する<ref name=ref1 />。G、C、Eの3ドメインから成り(図1)、GドメインN末端(20 kDa)とEドメインC末端(43 kDa)がCドメイン(リンカー領域: 18-21 kDa)に結合している<ref name=ref4><pubmed>18403029</pubmed></ref>。Gドメインは安定した三量体を形成する一方、Eドメインは二量体を形成し、[[グリシン受容体]]βサブユニットの細胞内ループ(M3-M4)に高親和性を示す。グリシン受容体βサブユニットにおける[[セリン]]残基403が[[プロテインキナーゼC]] ([[PKC]])によって[[リン酸化]]されると、ゲフィリンとの結合が減少する<ref name=ref5><pubmed>21829170</pubmed></ref>。また、[[結晶構造解析]]の結果から、ゲフィリンの二量体形成面における[[フェニルアラニン]]残基330、[[チロシン]]残基673、[[プロリン]]残基713残基がグリシン受容体βサブユニットとの高い親和性に重要であると考えられる<ref name=ref4 />。「リンカー領域」とも呼ばれるCドメインにはゲフィリン結合タンパクの作用部位があり、[[peptidyl-prolyl isomerase NIMA interacting protein 1]] ([[Pin1]])は188-201配列に、[[ダイニン軽鎖]]1 ([[dynein light chain]] 1, [[Dlc1]])およびダイニン軽鎖2 ([[dynein]] light chain 2, [[Dlc2]])は203-212配列に、[[アクチン]]重合に関与する[[Cdc42]]に選択的な[[コリビスチン]]([[collybistin]])は319-329配列に作用する。また、タンパク分解をされやすいのもCドメインである。
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