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==分節化の脳内基盤== | ==分節化の脳内基盤== | ||
分節化を担う脳機能についても乳児、成人を対象として研究されている。Saffranタイプの規則を用いた、成人の[[脳波]]実験では、学習した無意味語の第一音に対してのみ大きい[[N400]]の脳波成分が得られている<ref><pubmed> 18211232 </pubmed></ref>、[[fMRI]]による研究では分節化に左の[[下前頭回]]、[[上側頭回]]、[[大脳基底核]]が関与していることが報告されている<ref>'''McNealy, K., Mazziotta, J. C., & Dapretto, M. '''<br>Cracking the language code: neural mechanisms underlying speech parsing. <br>''The Journal of Neuroscience,'' 2006, 26, 7629-7639. </ref> 。新生児においてもMarcusタイプの規則刺激に対して左の背外側前頭部が強く反応することが[[NIRS]]([[Near Infrared Spectroscopy]])により報告されており<ref>'''Gervain, J., Macagno, F., Cogoi S., Peña, M., & Mehler, J.'''<br>The neonate brain detects speech structure. <br>''Proceedings of the National Academy of Sciences of the | 分節化を担う脳機能についても乳児、成人を対象として研究されている。Saffranタイプの規則を用いた、成人の[[脳波]]実験では、学習した無意味語の第一音に対してのみ大きい[[N400]]の脳波成分が得られている<ref><pubmed> 18211232 </pubmed></ref>、[[fMRI]]による研究では分節化に左の[[下前頭回]]、[[上側頭回]]、[[大脳基底核]]が関与していることが報告されている<ref>'''McNealy, K., Mazziotta, J. C., & Dapretto, M. '''<br>Cracking the language code: neural mechanisms underlying speech parsing. <br>''The Journal of Neuroscience,'' 2006, 26, 7629-7639. </ref> 。新生児においてもMarcusタイプの規則刺激に対して左の背外側前頭部が強く反応することが[[NIRS]]([[Near Infrared Spectroscopy]])により報告されており<ref>'''Gervain, J., Macagno, F., Cogoi S., Peña, M., & Mehler, J.'''<br>The neonate brain detects speech structure. <br>''Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,'' 2008, 105, 14222-14227. </ref> 、生得的な分節化能力が示唆されたが、この反応はABBタイプの規則のみでABAタイプに対しては観察されていない。しかし、3ヶ月児においてAXBタイプに特化したERP反応が得られており、抽象的な文法規則抽出もこの時期にできる可能性が示された<ref>'''Mueller, J. L, Friederici, A. D., & Männel, C.'''<br>Auditory perception at the root of language learning. <br>''Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,'' 2012, 109, 15953-15958. </ref> 。Saffranタイプの規則についても新生児は音節の言語刺激でも非言語音のトーン刺激でも、学習した遷移確率に則った刺激に対しても大きい事象関連電位が得られることが示されている。これら活動がみられた左下前頭部や大脳基底核といった脳部位は言語の統語規則処理を担う部位でもある。このことは分節化という基礎的な認知スキルが、高次な文法処理にも関連する機能であることを示唆する。 | ||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
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