「シンタキシン」の版間の差分

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 アイソフォーム6、8、10以外のシンタキシンは、アミノ末端に[[Munc-18]]との結合に関わる約20アミノ酸からなるNペプチドモチーフをもつ(後述)<ref><pubmed>21139055</pubmed></ref>。
 アイソフォーム6、8、10以外のシンタキシンは、アミノ末端に[[Munc-18]]との結合に関わる約20アミノ酸からなるNペプチドモチーフをもつ(後述)<ref><pubmed>21139055</pubmed></ref>。


 アミノ末端側のHabcと呼ばれるドメインでは、3本の[[wikipedia:ja:αへリックス|αへリックス]]が逆平行に結合し束になっている<ref name=ref1><pubmed>9753330</pubmed></ref><ref><pubmed>10913252</pubmed></ref>。Habcに続くリンカーは非常にフレキシブルで<ref><pubmed>12680753</pubmed></ref>、Habcは次のH3ドメインに折り重なることよりSNARE複合体の膜融合能を制御する負の調節ドメインとして働く<ref><pubmed>10535962</pubmed></ref>。
 アミノ末端側のHabcと呼ばれるドメインでは、3本の[[wikipedia:ja:αへリックス|αへリックス]]が逆平行に結合し束になっている<ref name=ref1><pubmed>9753330</pubmed></ref><ref><pubmed>10913252</pubmed></ref>。Habcに続くリンカーは非常にフレキシブルで<ref><pubmed>12680753</pubmed></ref>、Habcは次のH3ドメインに折り重なることよりシンタキシンの膜融合能を制御する負の調節ドメインとして働く<ref><pubmed>10535962</pubmed></ref>。


 シンタキシンのカルボキシ末端側3分の1は、膜融合能を発揮するのに必要最小限の領域である。SNAREモチーフを含むH3ドメインは、対になる他のSNAREと結合し、膜融合能をもつSNARE複合体を形成する<ref name=ref9100028><pubmed>9100028</pubmed></ref>。実際、H3ドメインと膜貫通ドメインからなるシンタキシン1の組換えフラグメントを全長のSNAP-25ととともに再構成した人工脂質小胞は、シナプトブレビン2を再構成した人工脂質小胞と自発的に融合する<ref><pubmed>9529252</pubmed></ref>。
 シンタキシンのカルボキシ末端側3分の1は、膜融合能を発揮するのに必要最小限の領域である。SNAREモチーフを含むH3ドメインは、対になる他のSNAREと結合し、膜融合能をもつ[[SNARE複合体]]を形成する<ref name=ref9100028><pubmed>9100028</pubmed></ref>。実際、H3ドメインと膜貫通ドメインからなるシンタキシン1の組換えフラグメントを[[SNAP-25]]ととともに再構成した人工脂質小胞は、[[シナプトブレビン]]2を再構成した人工脂質小胞と自発的に融合する<ref><pubmed>9529252</pubmed></ref>。


 単量体のシンタキシンは、活性化状態と不活性状態を移行する<ref><pubmed>14668446</pubmed></ref>。活性化状態では、HabcとH3が解離したいわゆる開いた構造をとり、対になるSNAREと結合できる。これに対し、HabcがH3に折り重なった閉じた構造になると不活性型となり、SNARE複合体を形成できない<ref><pubmed>18458823</pubmed></ref><ref><pubmed>10449403 </pubmed></ref>。
 単量体のシンタキシンは、活性化状態と不活性状態を移行する<ref><pubmed>14668446</pubmed></ref>。活性化状態では、HabcとH3が解離したいわゆる開いた構造をとり、対になるSNAREと結合できる。これに対し、HabcがH3に折り重なった閉じた構造になると不活性型となり、SNARE複合体を形成できない<ref><pubmed>18458823</pubmed></ref><ref><pubmed>10449403 </pubmed></ref>。
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