「軽度認知障害」の版間の差分

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 現状、MCIに対する認知症薬の保険適応は無い。上記の通りMCIにおいて認知機能低下は軽微で基本的な日常生活は保たれるため、将来的には認知症への進展(コンバート)の予防を目標とした治療法が検討される可能性はある。
 現状、MCIに対する認知症薬の保険適応は無い。上記の通りMCIにおいて認知機能低下は軽微で基本的な日常生活は保たれるため、将来的には認知症への進展(コンバート)の予防を目標とした治療法が検討される可能性はある。


 臨床研究レベルで、薬物治療として[[ドネペジル]]、[[ガランタミン]]、[[リバスチグミン]]などのアルツハイマー病治療薬([[コリンエステラーゼ]] [[cholinesterase]](ChE)[[阻害薬]])の有効性を検討した研究がいくつかあるが、MCIから認知症への転換を抑制する効果について明らかなエビデンスは無いのが現状である。しかし、[[APOE|ApoE]]遺伝子ε4多型保因者の検討において[[ドネペジル]]治療により36ヶ月後のAD発症率が有意に低下していたとする報告も存在する。レビー小体型認知症のMCIでは記憶障害や遂行機能障害は呈さずにリアルな[[幻視]]や[[REM睡眠]]行動障害等が出現することがあり、この場合はレビー小体型認知症としての[[抑肝散]]やドネペジル等による薬物療法が有効な場合があるとされる。
 臨床研究レベルで、薬物治療として[[ドネペジル]]、[[ガランタミン]]、[[リバスチグミン]]などのアルツハイマー病治療薬([[コリンエステラーゼ]] [[cholinesterase]](ChE)[[阻害薬]])の有効性を検討した研究がいくつかあるが、MCIから認知症への転換を抑制する効果について明らかなエビデンスは無いのが現状である。しかし、[[APOE|ApoE]]遺伝子ε4多型保因者の検討においてドネペジル治療により36ヶ月後のAD発症率が有意に低下していたとする報告も存在する。レビー小体型認知症のMCIでは記憶障害や遂行機能障害は呈さずにリアルな[[幻視]]や[[REM睡眠]]行動障害等が出現することがあり、この場合はレビー小体型認知症としての[[抑肝散]]やドネペジル等による薬物療法が有効な場合があるとされる。


 薬物以外のアプローチでは、認知症予防のライフスタイル、具体的には運動や食生活・[[睡眠]]の改善、血圧や血糖、脂質異常の改善、[[視覚]]・[[聴覚]]の維持などがMCIから認知症への進行を防ぐためには重要という考え方も存在する。
 薬物以外のアプローチでは、認知症予防のライフスタイル、具体的には運動や食生活・[[睡眠]]の改善、血圧や血糖、脂質異常の改善、[[視覚]]・[[聴覚]]の維持などがMCIから認知症への進行を防ぐためには重要という考え方も存在する。

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