「軸索輸送」の版間の差分

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== 速い軸索輸送  ==
== 速い軸索輸送  ==


[[Image:軸索輸送ー図1.jpg|thumb|300px|<b>図1 神経細胞における細胞内物質輸送</b><br />(Hirokawa et al.&lt;span class=]]
[[Image:軸索輸送ー図1.jpg|thumb|300px|<b>図1 神経細胞における細胞内物質輸送</b><br />(Hirokawa et al.&lt;span class=]]  


'''表1 神経細胞におけるモータータンパク質とカーゴ '''(Hirokawa et al.<ref name="ref2"><pubmed>21092854</pubmed></ref>より改変)  
'''表1 神経細胞におけるモータータンパク質とカーゴ '''(Hirokawa et al.<ref name="ref2"><pubmed>21092854</pubmed></ref>より改変)  
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速い軸索輸送では、ミトコンドリアやシナプス小胞前駆体など、種々の膜小器官が運ばれている(図1)(表1)<ref name="ref2"><pubmed>21092854</pubmed></ref>。これらは、順行性、逆行性ともに、微小管に沿って輸送が行われている。順向性輸送は微小管の+端方向への輸送で、細胞体から軸索末端に向かって、主にN-KIFsによって行われる。一方、逆向性輸送は微小管の-端方向への輸送で、軸索末端から細胞体に向かって、主に細胞質ダイニンによって行われる。KIFs及びそのカーゴ(荷物)については「キネシン」の項目を、細胞質ダイニンについては「ダイニン」の項目を参考にされたい。  
 速い軸索輸送では、ミトコンドリアやシナプス小胞前駆体など、種々の膜小器官が運ばれている(図1)(表1)<ref name="ref2"><pubmed>21092854</pubmed></ref>。これらは、順行性、逆行性ともに、微小管に沿って輸送が行われている。順向性輸送は微小管の+端方向への輸送で、細胞体から軸索末端に向かって、主にN-KIFsによって行われる。一方、逆向性輸送は微小管の-端方向への輸送で、軸索末端から細胞体に向かって、主に細胞質ダイニンによって行われる。KIFs及びそのカーゴ(荷物)については「キネシン」の項目を、細胞質ダイニンについては「ダイニン」の項目を参考にされたい。  


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== 遅い軸索輸送  ==
== 遅い軸索輸送  ==


遅い軸索輸送では、チュブリン、アクチンやニューロフィラメント蛋白などの細胞骨格蛋白が運ばれており、軸索の伸長、維持にとって極めて重要である。遅い輸送には、KIF5によるHsc70を介した輸送が報告されている<ref name="ref3"><pubmed>20111006</pubmed></ref>。KIF5は軽鎖(KLC)を介して膜小器官に結合し速い輸送も行うが、Hsc70が軽鎖に結合することによって細胞骨格蛋白などの細胞質蛋白と結合し、遅い輸送を行う<ref name="ref3"><pubmed>20111006</pubmed></ref>。  
 遅い軸索輸送では、チュブリン、アクチンやニューロフィラメント蛋白などの細胞骨格蛋白が運ばれており、軸索の伸長、維持にとって極めて重要である。遅い輸送には、KIF5によるHsc70を介した輸送が報告されている<ref name="ref3"><pubmed>20111006</pubmed></ref>。KIF5は軽鎖(KLC)を介して膜小器官に結合し速い輸送も行うが、Hsc70が軽鎖に結合することによって細胞骨格蛋白などの細胞質蛋白と結合し、遅い輸送を行う<ref name="ref3"><pubmed>20111006</pubmed></ref>。  


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