「パーソナリティー障害」の版間の差分

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 ここでは、パーソナリティ障害のタイプの特徴について概説する。
 ここでは、パーソナリティ障害のタイプの特徴について概説する。
    
    
 DSM-5第2部のパーソナリティ障害では、10のタイプが措定されている。それらの特徴を表3に示す。ICD-10のパーソナリティ障害タイプは、DSM-5第2部のものとほぼ同じであるが、名称が異なるものはICD-10の名称を括弧に入れて示す。
 DSM-5第2部のパーソナリティ障害では、10のタイプが措定されている。それらの特徴を'''表3'''に示す。ICD-10のパーソナリティ障害タイプは、DSM-5第2部のものとほぼ同じであるが、名称が異なるものはICD-10の名称を括弧に入れて示す。
表3.DSM-5 第2部におけるパーソナリティ障害のタイプ


{| class="wikitable" style="text-align:left"
|+表3.DSM-5 第2部におけるパーソナリティ障害のタイプ
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|colspan="2" align="center"|'''類型'''||align="center"|'''中心的特徴'''||align="center"|'''臨床特徴'''
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|rowspan="3"|A群・奇妙で風変わり||妄想性パーソナリティ障害||他者への疑念や不信から,危害が加えられることや裏切りを恐れること。||妄想性障害,妄想型統合失調症を発症しやすい。男性に多い。
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|統合失調質パーソナリティ障害||非社交的,孤立しがちで,他者への関心が希薄のように見えること。||かつて統合失調症の病前性格と言われていた。
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|統合失調型パーソナリティ障害||思考が曖昧で過度に抽象的で脱線する,感情が狭くて適切さを欠き,対人関係で孤立しやすいこと。||統合失調症に発展しやすい。
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|rowspan="4"|B群・演技的感情的で移り気||境界性パーソナリティ障害||感情や対人関係の不安定さ,衝動をうまく制御することができないこと。||うつ病などの精神障害を合併。臨床現場で高頻度。女性に多い。
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| 自己愛性パーソナリティ障害||周囲の人々を軽視し,周囲の注目と賞賛を求め,傲慢,尊大な態度を見せること。||うつ病や物質使用障害が多く合併。男性に多い。
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| 反(非)社会性パーソナリティ障害||他者の権利を無視・侵害する行動や,向こう見ずで思慮に欠け,暴力などの攻撃的行動に走ること。||物質使用障害の合併が多い。素行症から多く発展する。男性に多い。
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|演技性パーソナリティ障害||他者の注目や関心を集める派手な外見や大げさな行動。||女性に多い。
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|rowspan="3"|C群・不安で内向的||依存性パーソナリティ障害||他者への過度の依存。自らの行動や決断に他者の助言や指示を求めること。||うつ病,パニック障害に多く合併。女性に多い。
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|強迫性パーソナリティ障害||一定の秩序を保つことへの固執,融通性に欠けること,几帳面,完全主義や細部への拘泥。||男性に多い。
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|回避性(不安性) パーソナリティ障害||周囲からの拒絶や失敗することを恐れ,強い刺激をもたらす状況を避けること。||社交不安の合併が多い。
|}


 DSM-5第3部の代替診断基準では、表2の5つの病的パーソナリティ特性の強弱によって、特定のパーソナリティ障害タイプが記述されている。それを表4に示す。
 DSM-5第3部の代替診断基準では、表2の5つの病的パーソナリティ特性の強弱によって、特定のパーソナリティ障害タイプが記述されている。それを表4に示す。


表4. DSM-5第3部の代替診断モデルの6種のパーソナリティ障害と病的パーソナリティ特性との関連


{| class="wikitable" style="text-align:center"
|+表4. DSM-5第3部の代替診断モデルの6種のパーソナリティ障害と病的パーソナリティ特性との関連
|-
| align="center" |'''病的パーソナリティ特性'''||'''反社会性パーソナリティ障害'''||'''回避性パーソナリティ障害'''||'''境界性パーソナリティ障害'''||'''自己愛性パーソナリティ障害'''||'''強迫性パーソナリティ障害'''||'''統合失調型パーソナリティ障害'''
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| 否定的感情||||高||高||||高||
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| 離脱||||高||||||高||高
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| 対立||高||||高||高||||
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| 脱抑制||高||||高||||低||
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| 精神病性||||||||||||高
|}


 この表4に見られるように、例えば、反社会性パーソナリティ障害は対立と脱抑制というように、パーソナリティ障害タイプのそれぞれは、5種の病的パーソナリティ特性の高低によって特徴づけられる。
 この表4に見られるように、例えば、反社会性パーソナリティ障害は対立と脱抑制というように、パーソナリティ障害タイプのそれぞれは、5種の病的パーソナリティ特性の高低によって特徴づけられる。

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